1. HOME
  2. 業界ニュースTOP
  3. Markforged社、知的財産権紛争における和解を発表

Markforged社、知的財産権紛争における和解を発表

Markforged社のプレスリリース。

Markforged社は2024年9月、特許に関する知的財産権の紛争において和解に至ったと発表した。本件は3Dプリンティング技術における特許紛争で、業界における注目度が高かった。(上部画像はMarkforged社のプレスリリース。出典:Markforged社)

Markforged社、Continuous Composites社との特許侵害訴訟で和解契約

2024年9月23日、Markforged社は、Continuous Composites社との特許侵害訴訟に関して、和解および特許ライセンス契約を締結したことを発表。この契約により、デラウェア州連邦地方裁判所で係争中のすべての請求および反訴が解決されることとなった。

この訴訟は、2021年7月にContinuous Composites社がMarkforged社に対して特許侵害の申し立てを行ったことから始まった。元々Markforged社に対して19の特許請求を含む4つの特許が主張されていたが、2023年4月にこれらの特許は訴訟から外され、その後、2022年に追加された特許に基づく4つの請求が残った。2024年4月には、そのうち2つの請求が陪審によって審理され、4月11日の判決で、1つの特許請求については無効であり侵害もしていないと判断されたものの、もう1つの特許請求についてはMarkforged社による侵害が認定され、Continuous Composites社に対して1,734万ドル(約25億円)の損害賠償が命じられた。

この判決に対し、Markforged社は異議申し立てを行っており、同様に、Continuous Composites社も追加のロイヤリティ支払いを求める主張を事後申し立てを通じて行った。これは2023年12月31日以降に米国内で製造・販売された特定製品に対するものである。

Markforged社の和解契約に基づく支払いと相互ライセンス付与

和解契約に基づき、Markforged社はContinuous Composites社に対し、2024会計年度第4四半期に1,800万ドル(26億円)の前払いを行う予定である。加えて、2025年、2026年、2027年の各会計年度の第4四半期に、それぞれ100万ドル(約1億5,000万円)、200万ドル(約3億円)、400万ドル(約5億8,000万円)の分割払いが予定されている。この支払いにより、和解契約はすべての請求を取り下げること、両社の特許ポートフォリオに対する相互ライセンスの付与、および和解契約発効前に発生した責任に関する相互免責が含まれている。さらに、双方は今後訴訟を起こさない義務も負うこととなっている。

和解契約の発効条件として、Markforged社はContinuous Composites社とセキュリティ契約を締結し、Markforged社の特許に関する知的財産権などの資産に担保権を付与した。この和解契約では、両社ともに、Continuous Composites社によって主張された訴訟に関する責任や不正行為を一切認めていないことが明記されている。加えて、地方裁判所に対しては、すべての請求および反訴を正式に取り下げるための共同申立てを行う義務があり、和解契約は最終的に地方裁判所の審査を受けることとなる。

Markforged社 CEO、和解契約承認に対するコメント

Markforgedの社長兼CEOであるShai Terem氏は、「この和解契約が地方裁判所で承認されれば、訴訟が円満に解決し、Markforgedにとっての妨げや、訴訟の結果に関する不確実性が関係者全員にとって解消されることを大変喜ばしく思う」とコメントしている。また、戦略目標の達成に向けてさらに進み、産業用3Dプリンティングを現場に直接導入するという戦略の実行に対する決意を新たにしていると述べている。

市場とユーザーへの影響

市場やユーザー企業にとって、この和解は安定的な技術供給を意味する。特許紛争の解決により、Markforged社製品の使用に伴うリスクが低減し、技術導入のハードルが下がることが予想され、特許に関する法的リスクが軽減されたことで、企業は安心して3Dプリンティング技術を活用できるようになる。結果として、3Dプリンタを利用した製造プロセスの拡大が進み、最終製品やプロトタイプの生産において、より多くの企業がこの技術を取り入れることが期待される。

Markforgedの関連記事

今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

資料ダウンロード 3Dプリンティング国内最新動向レポート

サイト内検索

関連記事