サイフューズの革新的バイオ3Dプリンティング技術、アジア展開へ

2025年7月18日
サイフューズのニュースリリースより。

株式会社サイフューズ(東京都港区、以下、サイフューズ)は、香港の免疫・感染症研究センター Centre for Immunology & Infection Limited(以下、C2i)の子会社C2iTech Limited(以下、C2iTech)および日立グローバルライフソリューションズ株式会社(東京都港区、以下、日立GLS)との間で、気道オルガノイドの臨床応用を推進するための意向表明書(Letter of Intent)を締結した。(上部画像はサイフューズのニュースリリースより。出典:サイフューズ)

世界初の移植実績も!再生医療を加速させるサイフューズのバイオ3Dプリンティング技術

同社は、独自のバイオ3Dプリンティング技術を基盤に、革新的な再生医療等製品や三次元細胞製品の創出を通じて、再生医療および細胞医療の実用化・産業化を目指し、研究開発を中核とした事業活動を展開している。これまでにも、同社製バイオ3Dプリンタを用いた再生医療等製品の臨床開発において、患者由来の細胞から作製した三次元神経導管を世界で初めて患者へ移植し、治療効果を確認するなど、産学官連携による製品開発が着実に進んでいる。

気道疾患に新たな光、個別化オルガノイド開発で戦略的協業始動

今回の連携は、サイフューズの基盤技術である「バイオ3Dプリンティング」を活用し、個別化された組織(例:気道オルガノイド)を開発することによって、気道疾患治療の成果向上や新たな臨床応用の促進を目指すものである。最終的には、気道疾患に悩む患者に対し、従来にない画期的な治療手段を提供することを視野に入れた戦略的な協業である。

また、本協業に併せて、C2iTechおよび日立GLSは、香港初となる自動細胞培養施設を新たに建設している。この施設とサイフューズの技術が連携することで、個別化医療や創薬研究における疾患メカニズムの解明など、多岐にわたる再生・細胞医療の取り組みが加速されることが期待される。

海外展開を加速 再生医療のグローバルリーダーを目指すサイフューズの戦略

サイフューズは今後、本件のような多様な形態の協業や共同研究を通じて、グローバルにおける再生医療・ライフサイエンス分野における基盤技術のプレゼンスを強化し、海外の学術機関や企業との連携を拡大していく方針である。それにより、海外市場への展開を積極的に推進し、次世代医療の実現と世界中の患者への貢献を目指す。

サイフューズとは

サイフューズは、細胞のみから立体的な組織・臓器を作製する独自技術を基盤に、疾患や外傷によって機能不全となった組織や臓器を再生し、既存の医療では対応困難であったニーズに応えることを目指して2010年に設立された再生医療ベンチャーである。人工足場材料を用いず、細胞のみで立体組織を構築する独自技術を搭載したバイオ3Dプリンタ「Regenova(レジェノバ)」および「S-PIKE(スパイク)」の販売とともに、これら技術を応用した再生医療等製品や3D細胞製品の研究開発に取り組んでいる。

C2iTechとは

C2iTechは、香港大学LKS医学部(HKUMed)とパスツール研究所(Institut Pasteur)の20年以上にわたる協力関係から生まれたC2iのスピンオフ企業であり、2023年に設立された。同社は、呼吸器疾患領域における個別化オルガノイド培養に特化しており、凍結保存、薬物スクリーニング、呼吸器ウイルス研究などの先端技術を提供している。

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