家具製造の端材とリサイクル樹脂を組み合わせ、リサイクル率95%を達成した木質系3Dプリンタ用フィラメント「marui filament(マルイ・フィラメント)」が、2025年8月25日よりテスト販売を開始する。開発を行ったのは、福岡県大川市の株式会社井上企画(以下、井上企画)である。(上部画像は井上企画のプレスリリース。出典:井上企画)
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広葉樹端材×再生PLA!色味も風合いも活かしたナチュラル3Dプリンターフィラメント
本製品は、広葉樹端材由来の木粉20%と再生PLA樹脂75%を主成分とし、品質の安定化を図るために両素材を組み合わせている。木材本来の色合いを活かすため、着色剤は一切使用せず、自然な風合いを持つナチュラルフィラメントとなっている。
樹種ごとに分別製造しており、ウォールナット、チェリー、ホワイトオークなど、それぞれが持つ独特の色味や木目を再現できる。心材・辺材の差や木目の濃淡がそのまま製品に表れ、ひとつひとつが異なる表情を持つのが特徴である。
長時間造形と精細表現に対応 試作から小ロット量産まで幅広く活用可能
造形性能についても社内試験で実証されている。ノズル径0.4mmでの出力や24時間以上の連続造形に耐え、繊細なディテールの再現も可能である(チェリーは0.6mm以上を推奨)。教育用途やノベルティ製作、インテリア、照明パーツ、プランターなど、多様な活用が想定され、試作から小ロット量産まで対応できる。



商品概要
- 製品名:marui filament(マルイ・フィラメント)
- 素材構成:木粉20%(広葉樹端材)、再生PLA樹脂
- カラー:ウォールナット、チェリー、ホワイトオーク
- 直径:1.75mm(±0.1mm)
- 内容量:500g
- 価格:5,000円(税込・送料込)
- 発売日:2025年8月25日
- 販売:公式オンラインストア「こふじ商店」
- 備考:テスト販売のため各色10個限定、1人各色1個まで
端材活用を一貫体制で推進 循環型事業の確立へ挑む井上企画
井上企画では、木材の粉砕からペレット化、フィラメント製造、3D造形までを一貫して自社で行う体制を持つ。このため、企業や自治体などで発生する木材端材の利活用についても、複数業者とのやり取りを省き、効率的かつ明確な進行が可能である。端材を新たな価値へと変える取り組みを共に進めるパートナーも募集中である。



同社は木材販売・加工(テーブル天板製造等)を手掛ける一方、資源の有効活用を目的に素材開発事業部を設立。家具用端材を用いたウッドプラスチック開発に注力してきた。今後は3Dプリント用途に加え、射出成形など他の成形方法にも展開し、循環型事業の確立を目指す方針である。
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