アディティブ・マニュファクチャリング・ソリューションを世界規模で展開するRaise3D(アメリカ合衆国・カリフォルニア州)は、FABTECH 2025においてE3 IDEX 3Dプリンターを発表した。E2およびE2CFを基盤に開発されたE3は、現代製造業の進化する需要に応えるべく設計されたものである。高精度、高効率、そして多用途性を兼ね備え、試作から最終製品の製造まで、企業やクリエイターが限界を押し広げることを可能にする。(上部画像はRaise3D「E3」出典:Raise3D)
目次
新型E3プリンターで複合材・TPUを200mm/sで高速造形
Raise3D E3 3Dプリンターは、高速かつ安定した高精度の造形を実現するよう設計されており、複合材料やTPUの印刷速度は最大200 mm/sに達する。複合フィラメント専用プリントヘッドや新たに発表されたフレキシブルフィラメント補助フィーダーと互換性を持ち、柔軟素材や複合素材、優れた表面仕上げを必要とする産業にとって理想的なソリューションである。
E3の主な特徴
1.フレキシブルフィラメント補助フィーダー
E3はRaise3Dのフレキシブルフィラメント補助フィーダーと互換性がある。この補助供給・バッファシステムはTPUなど柔軟フィラメントの供給速度を向上させ、最大200 mm/sで高品質なTPU部品を造形可能とする。これにより、E3はより柔軟かつ弾性のある材料への対応範囲を拡大する。

2.複合フィラメント造形とPro Ironing機能
オプションの複合フィラメントプリントヘッドを用いることで、E3はRaise3Dの最新Hyper Speed PLA Proフィラメントをはじめ、多様な複合フィラメントをサポートする。さらに、新機能Pro Ironingは、E3プリンター、最新フィラメント(Hyper Speed PLA ProまたはIndustrial PETG ESD)、そしてideaMakerのスライシングプロファイルの組み合わせによって実現され、平均表面粗さRa 2µm以下という射出成形に匹敵する表面品質を提供する。

3.IDEXシステム
E3はIDEX方式を採用し、ミラーモード、デュプリケーションモード、二色造形、二材質造形など複数の造形モードに対応する。最大200 mm/sの高速造形とIDEX機能により、同一モデルを同時に二つ造形することで生産効率を倍増させることができる。また、異なる造形温度を必要とする二種類の材料を同時に使用できる点も大きな特徴である。

4.自動ベッドレベリングと基材プリント
E3はセンサーによりノズルと造形台の距離を複数箇所で測定し、最適な間隔を自動的に調整する。これにより材料の密着性や全体の造形品質が向上する。9点レベリングシステムの導入により、基材プリント(substrate printing)*も可能となり、平面素材上での無限の創造性を実現する。
*基材プリントは対応する特定の材料および基材に限られる。

Raise3D CEO『E3は柔軟素材造形の定義を塗り替える』
Raise3DグローバルCEOであるエドワード・フェン氏は次のように述べている。
「E3は多用途性と性能を融合させ、柔軟素材造形の定義を塗り替える。Eシリーズの伝統を受け継ぎ、E2のTPU造形性能、E2CFの複合フィラメント造形技術をさらに発展させた。より高速な造形速度と拡張された材料オプションを備え、E3は新たな領域を切り開く。」
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