医療系総合大学として知られる新潟医療福祉大学(NSGグループ所属)は、同大学の義肢装具自立支援学科において、3Dスキャナーや3Dプリンターを活用した実習授業「義肢装具CAD製作適合学」を、2025年12月4日(木)から2026年1月8日(木)までの毎週木曜午前中に一般公開する。
目次
最先端3D技術による義肢・装具製作の実際を公開
本授業では、学生が実際に義足や装具を製作する過程を公開する。3Dスキャナーを用いて患者の身体形状をデジタル化し、PC上でCADソフトによる設計を経て、3Dプリンターで最終的な造形物を出力するという、一連のプロセスが見学できる。
この授業の特色は、単なる技術の習得にとどまらず、実践的な現場力の育成を目指している点にある。外部からは、3D技術を活用する企業で活躍中の卒業生が講師として招かれ、産学連携による実践的な教育が展開されている。
「生の大学授業」を体感できる機会
公開授業は、将来義肢装具士を目指す高校生や進学希望者を対象としており、「大学ではどんな授業が行われているのか」「実際の実習の雰囲気を知りたい」といった疑問に応える内容となっている。オープンキャンパスとは異なり、現役大学生のリアルな授業風景を間近で見ることができる貴重な機会である。
実施概要
- 公開期間:2025年12月4日(木)〜2026年1月8日(木)
- 実施日:毎週木曜日 午前中(説明を含めて約1時間)
- 会場:新潟医療福祉大学 第5研究棟(L棟)
新潟市北区島見町1398番地 - 授業科目:「義肢装具CAD製作適合学」
- 担当教員:須田裕紀
- 参加費:無料
- 申込方法:以下URLより申し込み(希望日の2営業日前の17時まで)https://forms.gle/CaGyD4H9JztUWKdK6
※オンライン見学にも対応可能
医療×3D技術の融合を担う人材育成を目指す
新潟医療福祉大学は、全国でも珍しい「医療・福祉・スポーツ・栄養・看護・医療IT」の6学部16学科を擁する医療系総合大学である。学内では、チーム医療の実践教育が重視されており、専門職間連携の体制づくりに力を入れている。義肢装具自立支援学科では、3D技術を駆使した次世代の義肢装具士の育成が進められており、今回の公開授業もその一環として実施される。
NSGグループの地域連携と多角的事業展開
NSGグループは、教育・医療・福祉を中心に、スポーツ、IT、建設、農業、商社、美容、エンタメなど多彩な分野にまたがる101法人で構成されている。地域を「世界一豊かで幸せなまち」にすることを理念とし、「人」「安心」「仕事」「魅力」をキーワードに、地方創生に貢献する取り組みを進めている。
シェアラボ編集部コメント
義肢装具製作に最先端の3D技術を活用する教育現場の取り組みは、医療現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる大きな一歩だ。実習授業の公開は、医療系3D技術の未来を肌で感じる絶好の機会である。
用語解説
| ■ 義肢装具 身体の欠損部を補う「義肢」と、身体機能を補助・矯正する「装具」の総称。日常生活やリハビリ支援のために使用される医療機器。 |
| ■ 義肢装具士 医師の処方に基づき、義肢や装具の設計・製作・適合を行う国家資格保有者。患者の身体状態に合わせた最適な支援機器を提供する専門職。 |
| ■ CAD(Computer Aided Design) コンピューター支援設計の略称。義肢装具の設計では、スキャナーで取得したデータを基に正確な形状をデジタル上で設計する。 |
| ■ 産学連携 大学と企業が連携して人材育成や研究開発を行う取り組み。現場で使われる最新技術を学生が実践的に学ぶ機会を創出する。 |
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