廃材を再資源化し、3Dプリンターでインテリアに生まれ変わる新サービス ― 大日本印刷

大日本印刷株式会社(東京都新宿区、以下、DNP)は、企業活動に伴って発生する廃材を再資源化し、3Dプリンターを用いてインテリア製品などにアップサイクルする新たなサービスを開始した。この取り組みは、廃材に新たな価値を与えて循環利用する「再生素材を活用したデザインソリューション」の延長線上に位置付けられるものであり、第一弾として東京都足立区の商業施設「北千住マルイ」の共用スペースにおいて、店内で不要となった紙を再生した素材を使ったチェアやソファが2025年3月20日に設置された。(上部画像は「北千住マルイ」の共用スペースのイメージ図。)
サービス開始の背景とその狙い
循環型社会の実現に向け、多くの企業では製造過程などで発生する廃材の有効活用に注力しつつある。また、環境配慮型の製品やサービスに対する消費者の関心も高まっている。こうした社会的な動向を踏まえ、DNPは2022年より「再生素材を活用したデザインソリューション」として、廃材から生成した軽量ボードを用いた什器やイベント用製品の展開を進めてきた。
これまでに蓄積されたノウハウを基に、今回の新サービスでは3Dプリンターを導入。これにより、より高度なデザイン性や機能性を付加したプロダクトを提供する体制を整えた。生活者が愛着を持ち、長期間使用したくなるような製品づくりを目指している。
本サービスの特徴
本サービスでは、3Dプリンターの原料となる樹脂ペレットに、従来から利用されていた間伐材由来の木粉に加え、新たに紙を配合することで、再生素材の多様化を実現した。これにより、柔軟なデザイン設計と小ロット生産が可能となるだけでなく、強度や耐久性の面でも品質の向上が図られている。
製品ラインナップとしては、チェアやソファなどのインテリア製品が中心である。今回の北千住マルイでの導入においては、同施設で実施されている「エコファクトリー」活動で分別された紙を再資源化し、本サービスの原料として活用した。このような資源循環の取り組みを可視化することで、店舗を訪れた顧客に対して実際の再利用プロセスを体験させることが可能となった。
自社廃材の活用による顧客体験とブランド価値の向上
さらに、企業はこのサービスを通じて、自社由来の廃棄物を利用した製品を顧客に提供することができる。この取り組みは、消費者に対する体験価値の向上のみならず、資源循環に関する意識の醸成、企業の社会的責任(CSR)の遂行、そしてブランディングの強化にもつながるものである。
環境ビジョン2050を基軸とした資源循環支援への取り組み
DNPは、事業活動と地球環境の調和を常に意識し、持続可能な環境・社会・経済の実現を目指して、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいる。2020年には「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを本格化させている。
本サービスは、こうした環境ビジョンに基づく取り組みの一環として位置づけられており、廃材を活用した再生素材の使用比率を高めることにより、社会全体のニーズはもとより、企業や生活者の多様な要請にも応えていく方針である。さらに、アップサイクル製品においては、デザイン性や機能性を一層高めるとともに、企業のコミュニケーション施策とも連動させることで、資源循環に取り組む企業を多方面から支援していく構えだ。
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