株式会社前田技研(愛知県岡崎市、以下、前田技研)は、2025年11月に開催される日本最大級のインテリア国際見本市「JAPANTEX 2025」において、同社が展開する3Dプリンターインテリアブランド『孚美(FūūBi)』を出展する。出展のテーマは「自然と共生できる空間」であり、製品の素材や製法、デザインに至るまで、すべての要素を通じてこのコンセプトを体現する構成となっている。来場者は、展示ブースにて孚美の製品がどのように自然環境と調和しているのかについて、実物と説明を通して深く理解することができる。
目次
展示会概要

- 名称:JAPANTEX(ジャパンテックス)
- 開催期間:2025年11月19日(水)~21日(金)10:00~17:00
- 会場:東京ビッグサイト 南1-2ホール
- 孚美展示ブース:南1ホール JT-E10
- 公式サイト:https://japantex.jp/
JAPANTEXは1982年から40年以上にわたり、暮らしを豊かにするインテリアとその産業の発展を目的に開催されてきた歴史ある展示会である。
「孚美(FūūBi)」とは

『孚美』は、2023年10月に誕生したインテリアブランドである。「孚(ふ)」は「育む・育てる」を、「美(び)」は「美しい」を意味し、「美しいものを育てる」という想いをその名に込めている。ブランドのキャッチコピーは「積み重ねる想い つむぐ未来にくつろぎを」。
ブランドが掲げる主なコンセプト:
- 自然由来の材料の活用
- 廃棄される素材の再利用
- 日本の伝統工芸技術との融合
環境負荷の少ない製造方法
孚美の製品は、3Dプリンターによる積層造形技術によって製造されている。この製法では、加熱により溶融した材料を一層ずつ積み重ねて形状を構成するため、従来の切削加工に比べて不要部分の廃棄が発生しにくい。結果として、環境への負荷を大幅に低減できる点が特徴だ。
また、製品が不要となった際には、再度材料へと戻して新たな製品を生み出すことが可能であり、循環型の製品ライフサイクルを実現している。
孚美については以前、DESIGN TOKYO 国際デザイン製品展に出展の際にシェアラボニュースでも取り上げている。あわせてご覧いただきたい。
採用されている環境配慮型材料の例
孚美の製品には、以下のようなサステナブル素材が用いられている:

- TABWD®(トヨタ車体製)
スギの間伐材とプラスチックを複合化したバイオマス素材。林業と資源循環の観点から評価されている。

- 酢酸セルロース
微生物により水と二酸化炭素へと分解される生分解性の高い樹脂。土壌や海洋における環境負荷を最小限に抑える。

- オーシャンバウンドプラスチック
海岸から50km以内の内陸部に不法投棄されたプラスチックを原料とする再生ペレット。海洋プラスチック問題の解決にも寄与する。
展示予定の製品例
孚美の製品群は、自然素材と現代的なデザインが調和した独自の世界観を有している。展示会では、実際のインテリア製品が展示され、来場者はその素材感や造形美を直接体感できる予定である。









シェアラボ編集部コメント
サステナブル素材、3Dプリンティング技術、日本の伝統工芸を掛け合わせた未来志向のインテリアブランド『孚美』。その取り組みは、持続可能な社会を見据えた空間づくりの新たな可能性を示している。JAPANTEX 2025は、その革新性と美しさを体験できる絶好の機会となるだろう。
用語解説
| ■ JAPANTEX(ジャパンテックス) 日本最大級のインテリア国際見本市。建材、内装、家具、最新技術などが集まる展示会で、業界関係者が多数来場する。 |
| ■ 3Dプリンター(積層造形) デジタルデータをもとに、素材を一層ずつ積み重ねて立体物を作る製造技術。素材ロスが少なく、環境負荷を抑えられる。 |
| ■ 孚美(FūūBi) 株式会社前田技研が展開する3Dプリンターインテリアブランド。「育む+美しい」を意味し、自然との共生をテーマにしている。 |
| ■ サステナブル(持続可能) 環境や社会に配慮しながら、長期的に継続できる仕組みや製品のこと。再生可能資源やリサイクル素材の活用が含まれる。 |
| ■ TABWD® トヨタ車体が開発したスギの間伐材と再生プラスチックの複合素材。木の温もりと強度を両立した環境配慮型の新素材。 |
| ■ 酢酸セルロース 植物由来のセルロースを原料とする生分解性プラスチック。土壌や海洋でも微生物により自然分解される。 |
| ■ オーシャンバウンドプラスチック(OBP) 海岸近くに放棄されたプラスチックを回収・再利用した素材。海洋ごみになる前に回収することで、環境問題の抑制に貢献。 |
| ■ 日本の伝統工芸技術 日本に古くから伝わる職人技術。木工・漆・染織・金工などがあり、現代のデザインや3D技術と融合し新たな価値を生む。 |
サステナブルの関連記事
今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中からピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。



