新進気鋭クリエイターの3Dプリント鉢を扱う新プラットフォーム「mamidori with creators」始動

第一弾として販売する、淡路広喜氏(左)、Luminas T / Dynamite T(右)による3Dプリント製の植物鉢(出典:くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)
第一弾として販売する、淡路広喜氏(左)、Luminas T / Dynamite T(右)による3Dプリント製の植物鉢(出典:くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)

東京都国立市を拠点とする植物ブランドmamidoriは、3Dプリント技術を活用したプロダクトを販売する新プラットフォーム「mamidori with creators」を2026年2月12日に開始した。くにたちビジネスサポートセンターKuni-Bizの支援を受けた取り組みであり、実店舗とオンラインの双方で展開する。本プラットフォームでは、3Dプリント製の植物鉢および3Dプリント用データを販売する。小ロット・多品種生産を可能にするデジタルファブリケーションの特性を活かし、クリエイターの造形思想と流通を結びつけるモデル構築を目指すものである。

「mamidori with creators」立ち上げの背景

3Dプリント技術の高度化と普及により、個人がアイデアを直接プロダクト化できる環境が整いつつある。設計データから即座に造形へ移行できる点は、従来の大量生産型とは異なる価値創出を可能にしている。「mamidori with creators」は、こうした潮流を背景に以下を目的として立ち上げられた。

・小ロット・高付加価値プロダクトの安定的流通

・クリエイターの継続的な発表機会の創出

・国立市発のデザインおよびものづくり文化の発信力強化

参加クリエイターには、3Dプリントで出力すること、植物との関係性に新たな示唆をもたらすことが求められる。完成品に加え、3Dデータも販売することで、家庭用3Dプリンターの普及を踏まえた創作の広がりにも対応する。

第一回参加クリエイターと作品

「SOIL」 淡路 広喜(出典:くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)
「SOIL」 淡路 広喜(出典:淡路 広喜、くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)

「SOIL」淡路 広喜

販売価格:34,900円(完成品)

海水由来の固化剤を用い、砂や香りを持つ天然素材を混合した塗料で仕上げた作品である。混合する素材によって香りや質感、テクスチャが変化する点が特徴であり、3Dプリントの造形と自然素材の風合いを融合させている。

淡路氏は一級建築士/ファサードエンジニア/研究者。東京大学博士課程在籍。GRC自動吹付や3Dプリント型枠、土・木質・竹などの自然素材を活用した曲面ファサード工法の設計・開発に取り組んでいる。

「見守りゴリラ」 Dynamite T(出典:くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)
「見守りゴリラ」 Dynamite T(出典:Dynamite T、くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)

「見守りゴリラ」Luminas T/Dynamite T

販売価格:3,780円(完成品・鉢のみ)

ゴリラの造形と植物を組み合わせた鉢作品である。動物と植物という生命感を掛け合わせ、空間にユーモアをもたらすインテリアオブジェとして設計されている。

Luminas T/Dynamite Tは映像関連のCGクリエイターであり、映画、ドラマ、ゲームなどの制作に携わる一方、有機体モチーフの造形作品を発表してきた。「空間の邪魔にならないもの」を重視して制作している。

「with Antique」 服部 充紘(出典:くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)
「with Antique」 服部 充紘(出典:服部 充紘、くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)

「with Antique」服部 充紘

販売価格:5,490円(完成品・鉢のみ)

アンティーク雑貨をプランターの一部として再構成し、その形状に合わせて3Dプリントすることで鉢として再編集した作品である。古さと新しさが共存する佇まいを演出している。

服部氏はデザイナー/インテリアコーディネーター。東京大学修士課程修了後、空間関連の企画およびデザインコンサルティングに従事。2025年7月にmamidoriを設立した。

mamidoriの取り組み

mamidoriは、植物単体の販売にとどまらず、空間・居心地・体験価値の視点から植物を軸としたインテリア提案を行うブランドである。3Dプリント技術やデジタルデザインを積極的に取り入れ、植物と家具のトータルコーディネート、インテリア企画、プロダクト販売を展開している。

mamidoriの店内(出典:くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)
mamidoriの店内(出典:くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)

また、国立市商工会主催「くにたちスタートアップ&チャレンジプロジェクト第一期」に採択され、2025年10月から2026年3月まで国立市内大学通り沿いのチャレンジショップに出店中である。

2025年10月~2026年3月まで国立市内の大学通り沿いのチャレンジショップに出店中のmamidori(出典:くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)
2025年10月~2026年3月まで国立市内の大学通り沿いのチャレンジショップに出店中のmamidori(出典:くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz)

所在地:東京都国立市中1-9-44 野木ビル1F(国立駅南口徒歩3分)

営業時間:火〜金 12:00-20:00/土日祝 10:30-18:30

定休日:月曜ほか不定休

Webサイト:https://mamidoriplant.com/

3Dデータ販売:https://mamidori-plants.booth.pm/

編集部コメント

本取り組みは、3Dプリントを単なる製造技術としてではなく、流通および表現のプラットフォームとして活用する点に特徴がある。完成品と3Dデータの双方を扱うことで、家庭用3Dプリンターの広がりを前提とした次段階の市場形成を視野に入れているといえる。

地域発ブランドによるデジタルものづくりの展開事例として、今後の動向を注視したい。

用語解説

■ デジタルファブリケーション
デジタルデータをもとに製造を行うものづくり手法の総称。3DプリンターやCNC加工機などを活用し、小ロット・多品種生産を柔軟に行える点が特徴である。
■ STLファイル
3Dプリントで広く使用される三次元データ形式。立体形状を三角形ポリゴンの集合で表現し、造形前のデータ品質が最終的な出力精度に影響する。
■ 小ロット多品種生産
少量ずつ多様な製品を生産する方式。金型を必要としない3Dプリントはこの生産形態と相性が良く、在庫リスクを抑えた製造が可能となる。

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シェアラボ編集部の編集者として年間数百本の記事制作にかかわる。デザイナー・フォトグラファー・動画編集者としても活動しており動画撮影・編集、商品撮影も行う。家族と革靴と音楽を愛しており、特技はフォークリフト。

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