「未来の下着」に関する共同研究の成果が、国際的な論文集に掲載
ファッションデザインのためのソフトウェア開発を行うSynflux株式会社(東京都中央区)が、2020年3月から参画した、ワコール人間科学研究開発センターと京都工芸繊維大学Kyoto Design Labとの共同研究「未来の下着」。その成果が、デザイン研究に関する国際的な論文集『The Routledge Companion to Design Research 2nd Edition』に掲載された。
共同研究「未来の下着」においてSynflux社は、アルゴリズミックデザインを通した下着のメタマテリアル構造を開発。3Dプリント技術によるマスカスタマイゼーションが実現した未来シナリオの設計。サービスフローの提案を担当した。
アルゴリズミックデザインとは、コンピュータープログラムによってデザイン要素の形や大きさ、配置などを決めて全体の形を作り上げる手法のことをいう。この手法により、自然界の物質には存在しない性質(メタマテリアル)を持つ構造の開発が実施された。(上部画像はプレスリリース。出典:Synflux社)
共同研究「未来の下着」が目指すもの
Synflux社とワコール人間科学研究開発センター、京都工芸繊維大学 KYOTO Design Labによる共同研究「未来の下着」は、2020年3月から約1年間、リサーチやプロトタイプ作成、試作商品の実装に加え、具体的なサービスのシナリオ作成に至るまで実践された。
この研究における「未来の下着」とは、生分解性素材とアルゴリズミックデザイン、3Dプリンターによって、循環可能であるものを指す。
アルゴリズムによる柔軟性が担保されたメタマテリアル構造というデザイン。生分解性の3Dプリントフィラメント、菌糸体やコンブチャといった素材。そして3Dプリンターを活用して、ユーザーの身体にフィットする循環型の特性を備えた下着を製作可能な一連のサービスの提案が行われた。
論文においては、菌糸体レザー、生分解性プラスチックフィラメント、アルゴリズミックデザインによるメタマテリアル構造を活用した3Dプリント下着の新しいデザイン方法に関して述べられた。持続可能な未来を夢想することと、具体的な試作を生み出し、成果物に対して科学的な評価を行うことをいかにして両立するかについて説明しているという。
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