3Dプリンターで初製作?!「水に浮く家」とは―立体芸術家、ミハル・トルパック
3Dプリンターと建築と言えば、国内・海外問わずさまざまな地域で活用が進む分野だ。今回は、チェコの立体芸術家ミハル・トルパック氏が製作している3Dプリンターで初となる「水に浮く家」の原型をご紹介する。
今年8月に、首都プラハを流れるブルタバ川に浮かべられる計画だ。プロジェクトを率いるトルパック氏は「恐らく3Dプリンターで製作される世界初の浮遊式建築物です」と語っている。
「水に浮く家」製作背景
デザインは、原虫として知られる単細胞生物から着想を得たという。
特殊なコンクリートを用いた原型の製作に要するのは2日。43平方メートルのシンプルな造りの中に、キッチン付きの居間、寝室、浴室が配置される。さらに水上庭園にこの家を浮かべ、屋根と壁を植物に覆わせようとしているようだ。
同氏は「原生動物」と名付けたこのプロジェクトの資金を調達するために、国内の建築家協会と協力している。また家を川に浮かばせる運びとなった背景として、同氏は次のようにコメントしている。「完成品を展示する土地が私たちにはありませんでした。それに土地に置こうとすると建築許可が必要で、最長2年かかる。でも川に浮かばせる場合は、運航当局の同意のみがあればよく、手続きがずっと早かったのです」
環境にも配慮された作り
またprvok(プルヴォック)と呼ばれるこのデザインは、48時間以内に作ることができ、環境にも優しいものとなっている。建設費の50%を節約でき、CO2排出量と廃棄物を大幅に削減出来るとのことだ。
具体的には、従来の住宅の7倍の速さ(毎秒15cmの速さ)で建設されたこの住宅は、スクールプト社のロボットアームを使用して出力されており、建設廃棄物が数倍少なくなるだけでなく、CO2排出量も最大20%削減されるとのこと。
関連情報①:建設業界と3Dプリンター
関連情報②
3Dプリンタ―の”先進っぽさ”を感じさせる作りに男心をくすぐられる毎日。さまざまな業界にて活用されるアディティブ・マニュファクチャリングの今をお届けします!最近のニュースは、鳥を飼い始めたこと。