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次世代3Dプリント住宅の原点「House Zero」をICONが発表

ICONは、建設用3Dプリンターを活用した住宅「House Zero」を発表した。House Zeroは、住宅が持つ3つの性質(Resilient、Sustainable Architecture、Design)について、従来の限界を拡張することを目指す。

次世代3Dプリント住宅「House Zero」の特徴

ICONは3Dプリンターを建設に利用し、これまで世界に存在しなかった住宅を作り上げてきた。

火星の砂礫を利用した火星居住用施設の建設計画にも関わっている。住宅が持つ常識を覆し、「3Dプリント住宅」のフロンティアを走り続けている企業だ。

次なるICONの目標は、住宅のResilient(弾力性)、Sustainable Architecture(持続可能性)、Design(デザイン性)を変革することにある。

2022年3月2日、ICONは 3Dプリンターを用いて建設した住宅「House Zero」を発表した。

テキサス州オースティンに建設されたHouse Zeroは、約2000平方フィートの床面積にベッドルームやバスユニットを備え、実用的な住環境を提供する。デザインや設計にはLake|Flatoを起用した。

House Zeroの外観(出典:ICON)
House Zero(出典:ICON)

住宅の限界を拡張する

House Zeroは、将来に渡る人類の営みに対し、ICONとLake|Flatoが提示するライフスタイルそのものだ。これからの住宅のスタンダード、原点を目指して、Zeroと名付けられた。シンプルな構造ながら工夫が詰まっている。

一般に、住宅は周囲の環境や気候と切り離せない。ICON が言う Resilient(弾力性)とは、周囲環境に対応し、効果的に居住者を守る力のことだ。

テキサス州は年間を通じて、1日の中での寒暖差が激しい。こうした環境では、断熱性と保温性に優れる住宅が求められる。

House Zeroはこうした要求に、建築材料で応えた。ICON が用いる独自のセメントベース材料「Lavacrete」に、断熱材、補強用の鋼を組み合わせた外壁は大きな熱容量を持ち、寒暖の変化を吸収する。エネルギー効率を高め、持続可能なライフサイクルを提供可能だ。

House Zeroは普段の生活シーンだけでなく、建設・撤去のシーンにおいても Sustainability(持続可能性)を発揮する。

ICON が保有するロボット技術と、3Dプリント技術を活用することで、住宅建設に必要な時間、資源、コストを大きく低減することができた。

ICON が提示するデザインの可能性

House Zero 内装(出典:ICON)
House Zero 内装(出典:ICON)

House Zeroが、これまでのICONの住宅と大きく異なるのは、そのDesign(デザイン性)だ。持続可能な住宅に関して高い評価を受ける設計事務所Lake|Flato とタッグを組み、住みやすさや美しさを追求した。

特徴的なのは、木の幹のように不規則な柱の凹凸構造だ。House Zeroは、バイオフィリック原則(植物や自然にインスパイアされたデザイン)を背景として設計された。湾曲した構造は効率的に構造強度を高めるだけでなく、家全体の質感を柔らかく見せ、自然な空間的循環を生み出す

東向きに設置された大きな高窓は、ダイナミックな日光でリビングを照らし、1日を通じて電気照明の利用を押さえることが可能だ。

建設用3Dプリンターが開くデザインの可能性について示して見せた。

ICON共同設立者兼CEOであるJason Ballard氏は、House Zeroに込められた願いについて以下のようにコメントしている。

「この家が、住宅建設に携わる多くの方々に刺激を与えるものとなれば幸いです。ICON と同じように、希望に溢れ、ワクワクするような未来の住宅を思い描くための刺激に。ロボットによる建設技術や、3Dプリント技術は、そんな将来を現実のものに変えるでしょう。」

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