まるで高級店のチョコレート-FoodJet社の食品用3Dプリンター活用事例
写真に写るのは高級チョコレート店で売っているようなチョコレートだが、実は3Dプリンターで作られている。この興味深い試みを手掛けるのは、オランダに本社を置くFoodJet社である。家族経営で40年の歴史を持つ同社は、3Dプリンターを扱う企業の中でも食品にフォーカスを置き事業を展開している。食品領域での3Dプリンターのさらなる活用は、すぐそこまで来ている。
オリジナルチョコレートの大量生産が可能に
FoodJet社が開発を進めるチョコレート用3Dプリンターは、顧客の要求に応じた複雑な形状のチョコレートバーの製造を得意とする。もちろんバーの形状以外にも、ドーナツの形をしたチョコレートやナッツなどを混ぜ込んだチョコレートを含め、数千にも及ぶ種類・形のチョコレートの大量生産ができる。
つまり。今までは複雑な装飾になるため手作業で少量しか作ることができなかった高級店のチョコレートが、店頭にズラリと並べられ、安価に手に入るようになるかもしれないのだ。ワクワクしない訳がない。
同社のDe Grood氏は、現時点ではまだ改善の余地があるが、実際に市場に出回るまでに時間はかからないだろうと語る。
他の食品にも活用が可能
もちろん、FoodJet社3Dプリンターの活用の場はチョコレートだけには留まらない。同社の得意とするグラフィック装飾、ピンポイントコーティング、表面コーティングなど、食品を装飾する機能はドーナツ、ワッフル、ピザ、ビスケットを含む、多くの食品にも活用が可能である。近い将来、食品業界に旋風を巻き起こすことは間違いない。
「表面コーティング」×「グラフィック装飾」
通常の製造ラインを使用しながら、既存のベルトコンベヤーの上にFoodJet社の精密なコーティングシステムを置くだけで、他では作ることができないオリジナルの製品を簡単に作ることができる。
「ピンポイントコーティング」
また精密なコーティング機能を使用することによって、従来の技術では実現が難しかったワッフルのように凹んだ箇所へのピンポイントのコーティングが可能となる。
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