株式会社サイフューズ(東京都港区、以下、サイフューズ)は、自社の機能性細胞デバイス(FCD)製品の国際市場への浸透を一層加速させるため、オリエンタル酵母工業株式会社(東京都板橋区、以下、オリエンタル酵母工業)と新たに販売提携契約を締結した。本提携により、当社の販売体制は一段と強化されることとなった。(上部画像は開示資料「2025年12月期 第2四半期決算説明会資料」より。出典:サイフューズ)
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提携の背景
新薬開発においては長年、動物実験が安全性評価の基盤とされてきた。しかし近年では、科学的な限界や倫理的観点からその課題が指摘されている。米国食品医薬品局(FDA)や米国国立衛生研究所(NIH)は、動物実験の削減と人工知能(AI)やヒト培養細胞を活用した代替技術の導入方針を相次いで打ち出している
こうした国際的な潮流は、ヒト由来の細胞・組織を用いた新評価システムへの注目を高めている。当社のFCD製品は、医薬品開発のコスト削減、開発期間の短縮、動物福祉の向上に資する次世代ツールとして期待を集めている。
オリエンタル酵母工業との戦略的提携
サイフューズは独自のFCD製品「ヒト3Dミニ肝臓」を通じ、動物を用いない創薬アプローチを提供し、国内市場で一定の評価を得てきた。これまでに国内での販売基盤を整備・拡充してきたが、今後は米国を中心とする海外市場への展開を加速させる方針である。
今回の販売提携により、ライフサイエンス分野でグローバル展開に強みを持つオリエンタル酵母工業の豊富な知見と販売ネットワークを活用できる。当社のFCD製品は、同社との協力体制を通じて国内外の顧客基盤を強化し、動物実験代替技術を推進する国際市場への本格進出が見込まれる。
今後の展望
サイフューズは今後も販売パートナーとの連携を拡大し、多様な臓器機能を再現する革新的な製品群を市場に投入していく方針である。FCD製品のラインナップ拡充を進め、医薬品、食品、化粧品など成長産業への幅広い応用を実現することで、持続可能な社会への貢献を果たしていくという。
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