3Dプリンター住宅への反響が累計1,000件を突破 海外からの関心と提携希望が急増

2025年11月19日
3Dプリンター住宅「Lib Earth House model B」
3Dプリンター住宅「Lib Earth House model B」(出典:Lib Work)

株式会社Lib Work(熊本県山鹿市、以下、Lib Work)は、2025年7月に完成予定の、国内初となる“土”を主原料とした3Dプリンター住宅「Lib Earth House model B」に関し、発表以降、来場予約や資料請求などの反響数が累計1,000件を突破したことを報告。この発表を契機として、アジアを中心に世界各国からの問い合わせが急増しており、国内市場にとどまらず国際的な注目を集めている。加えて、パートナー企業としての提携希望も多数寄せられており、発表後の問い合わせ件数は75件に達している。

これらの反響は、Lib Work社が掲げる「世界初のAIによるフルオート住宅建設」という構想に対する期待の高まりを示しており、3Dプリンター住宅が持つ社会的意義や市場性の高さを裏付けるものといえる。同社は今後も、環境負荷の少ない素材と最新技術を融合させた住宅の開発を通じて、国内外に新たな住まいの選択肢を提示していく構えである。

「Lib Earth House model B」の特徴

主な特徴は以下の通りである。

  • 土を主原料とし、セメントを一切使用しない環境配慮型住宅
  • 有機的で自由な設計を可能とする設計自由度の高さ
  • 短工期かつ省人化を実現
  • 壁内部の結露を監視するシステムを搭載
  • スマートIoT設備を標準装備
  • テスラ社の蓄電池「Powerwall」と太陽光発電パネルを組み合わせたオフグリッド仕様
  • 電力会社に依存しない自給自足型の住宅モデル

得られるメリットとして以下が挙げられる。

  • 建設時に発生する廃材の削減とCO₂排出の抑制
  • 従来工法では困難だった曲線形状のデザインが可能
  • 建設工程の効率化によるコスト削減
  • 壁内部の温湿度をリアルタイムで把握し、劣化や結露の予兆を検知することで住宅の長寿命化を実現
  • エアコン、照明、浴室等をスマホや専用モニターから遠隔操作可能とし、利便性と快適性が向上
  • エネルギーの自給自足体制によりレジリエンスの高い住環境を提供

今後の展望

Lib Workは、「未来の家をつくる」を開発テーマに掲げ、環境負荷を抑えつつ居住者の快適性を確保する住宅の開発を今後も継続していく方針である。今回の市場反響を踏まえ、さらなる技術検証および商品化に向けた取り組みを加速させ、将来の住まいの標準モデルを提案していくとしている。

同社はまた、本事業を通じて以下のSDGs目標への貢献を目指す。

  • SDGs番号3「すべての人に健康と福祉を」
  • SDGs番号11「住み続けられるまちづくりを」
  • SDGs番号12「つくる責任つかう責任」
  • SDGs番号13「気候変動に具体的な対策を」
  • SDGs番号15「陸の豊かさも守ろう」
  • SDGs番号17「パートナーシップで目標を達成しよう」

Lib Workの事業概要

Lib Workは、「暮らしを変える、世界を変える、未来をつくる」をスローガンとし、「サステナブル&テクノロジーで住まいに新たな価値をもたらす」ことをミッションに掲げている。戸建住宅事業にとどまらず、デジタルマーケティングやBtoB向けプラットフォーム開発など、多角的な事業展開を進めている。

主な取り組みには、土地探し支援サービス「e土地net」や、YouTubeチャンネル「Lib Work ch」を通じた集客戦略の展開が含まれる。また、全国の工務店向けに新築住宅プラン提案システム「マイホームロボ」を提供しており、「niko and … EDIT HOUSE」などのIPライセンス事業も展開している。

今後は3Dプリンター住宅の本格的な展開を通じ、持続可能な社会の実現に寄与していく方針である。

公式サイト:https://www.libwork.co.jp/


シェアラボ編集部コメント

Lib Work社が打ち出した「Lib Earth House model B」は、3Dプリンター住宅の常識を覆す意欲的な取り組みである。特に、セメントを使わず「土」を主原料とする点は、環境負荷軽減と地域資源の活用という文脈で注目に値する。従来の3Dプリント建築では、セメント系の素材が多く用いられてきたが、これに代わる材料で構造的・機能的な実用性を確保した住宅は、世界的にもまだ数が少ない。

また、オフグリッド設計やIoTの導入など、建築技術とITの融合も明確で、スマートハウスとサステナブル建築を両立させる先進的なモデルと言える。短工期・省人化による効率性の高さは、建設業界の人手不足や災害時の応急住宅ニーズにも対応できる可能性を秘めている。

国内外からの問い合わせが急増している点も、このプロジェクトが単なる実験的建築ではなく、商業化に向けた現実的なソリューションであることを示している。今後は、材料強度や耐久性、法規制への適合性といった実装面での検証と標準化がカギを握るだろう。

建築×3Dプリンティングの融合は、ものづくりの常識を問い直す試みであり、日本発のこの住宅モデルが、国際市場でどのような展開を見せるか、今後も注視していきたい。


用語解説

■ 3Dプリンター住宅
建設用の大型3Dプリンターを用いて、住宅の壁や構造体を積層造形する工法。コンクリートやモルタルなどを素材とし、設計通りにロボットが自動的に造形を行う。省人化や短工期、デザイン自由度の高さが特長。近年ではアメリカ、UAE、中国などで普及が進んでいる。
■ 土を主原料とした建材
Lib Workが採用したのは、土を主原料とするセメントフリーの建材。従来の3Dプリンター住宅ではセメントやモルタルを使用する例が多いが、これを排し、より自然由来の素材で成形することで、CO₂排出削減や地域資源の有効活用につながる。素材開発には高い技術が要求される。
■ オフグリッド住宅
電力会社などのインフラ網に依存せず、住宅単独でエネルギーの自給自足を実現する住宅。太陽光発電や蓄電池(例:テスラのPowerwall)を活用し、災害時の電力確保や電力コストの削減にも寄与する。Lib Earth House model Bではこの仕組みを標準装備。
■ スマートIoT設備
住宅における照明、空調、給湯などの機器をネットワーク接続し、スマートフォンやモニターで遠隔操作・自動制御できる設備。快適性・エネルギー効率・安全性の向上に寄与する。近年ではスマートホームとして一般化しつつあり、3Dプリント住宅との親和性も高い。
■ 壁内結露監視システム
住宅の壁内部に温湿度センサーを設置し、結露発生の予兆を監視するシステム。結露はカビや腐食、断熱性能の劣化を招く要因であり、住宅の長寿命化の観点から重要。IoT技術によりリアルタイム監視が可能になっている。
■ 省人化
建設現場における作業員の人数を減らし、省力化を図る取り組み。3Dプリンターによる自動造形は、型枠工、左官工、大工などの職人を大幅に減らすことができる。人手不足が深刻化する建設業界において、省人化は競争力確保の鍵となる。
■ マイホームロボ
Lib Workが提供する、住宅プランの自動提案システム。全国の工務店向けに提供されるBtoB型のプラットフォームで、顧客ニーズや土地条件に応じた住宅プランをAIが作成する。設計提案の効率化と属人性の排除が狙い。
■ サステナブル住宅
資源消費を最小限に抑え、環境負荷を低減しながら長く快適に住み続けられる住宅。再生可能エネルギーの利用、自然素材の活用、断熱性の向上などが特徴。Lib Work社の3Dプリンター住宅は、建材からエネルギー運用までサステナブル設計を志向している。

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