Aibuild社がシリコンバレーに米国本社を開設

AIを活用したAMソフトウェアを開発するAibuild社(イギリス・ロンドン)は、新たにシリコンバレーに米国本社を開設したことを発表した。これは、同社が自律型製造の大規模展開を推進する上での重要な節目であり、米国のパートナー企業、顧客、および業界のイノベーターと協力する姿勢を明確に示すものとなる。(上部画像はAibuild社のウェブページより。出典:Aibuild社)
目次
ニコン社との協力強化で米国市場におけるAI駆動のAM技術の発展を加速
今回の戦略的な展開は、Aibuild社の主要投資家の一つである、日本のニコン社(東京都品川区)とのパートナーシップによってさらに強化される。新オフィスは、サンフランシスコ湾岸エリアにあるニコン社の研究施設内に設けられ、両社の連携を深めることで、AI駆動のAM技術の進化を加速させることが期待される。
Aibuild社の米国法人「Ai Build Inc.」の新オフィスは、研究開発および協業の拠点として機能し、同社の顧客基盤を拡大するとともに、米国内の製造業者との新たなパートナーシップを築く場となる。これらの協力関係を通じて、積層造形技術のさらなる発展が促されるとともに、特に航空宇宙、防衛、エネルギー産業といった国家安全保障上重要な分野におけるサプライチェーンの主権確立が強化される見込みである。
シリコンバレー進出で顧客対応を強化、ニコン社との協力も深化
Aibuild社の共同創業者であるDaghan Cam 氏とMichail Desyllas 氏は、次のように述べている。
「シリコンバレーに新たな拠点を設立し、米国市場へと本格的に参入することは、Aibuild社にとって極めて重要な瞬間である。主要な顧客やパートナーに近づくことで、より迅速に彼らのニーズに対応できるようになる。また、新オフィスをニコン社と共に構えることで、両社のパートナーシップがさらに深まり、AIによる自動化技術の製造業への導入を加速できると確信している。」
Aibuild社の米国進出を歓迎、ニコン社との技術シナジーに期待
ニコン社のコーポレート・バイスプレジデントであり、NIKON Advanced Manufacturing Inc.の共同CEOである柴崎 祐一 氏は次のようにコメントした。
「Aibuildの米国進出を支援し、西海岸の拠点で共に歩めることを非常に嬉しく思う。彼らのビジョンとイノベーションに対する信頼は揺るぎない。この地理的な近接性によって、我々の協力関係がより強固になり、革新的な技術のシナジーが生まれることを期待している」

Aibuild社の概要
Aibuild社は、イギリス・ロンドンを拠点とする企業で、AI(人工知能)を活用したAMソフトウェアの開発を手がける。2015年にDaghan Cam 氏とMichail Desyllas 氏によって設立され、AI駆動の自律型製造技術を提供することで、積層造形の精度向上や自動化を推進している。同社のプラットフォームは、リアルタイムの品質管理やプロセス最適化を可能にし、製造業の効率化とコスト削減に貢献している。特に、航空宇宙や自動車、建築、エネルギー産業など高度な製造技術を求める分野に適用されている。
ニコン社、AIの関連記事
今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から2つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。