小型月着陸実証機SLIMが「第54回 日本産業技術大賞 文部科学大臣賞」を受賞 ― JAMPT

2025年5月9日

日本積層造形株式会社[JAMPT](宮城県多賀城市、以下、JAMPT)は、2025年4月2日に経団連会館にて開催された表彰式、株式会社日刊工業新聞社主催の「第54回 日本産業技術大賞」において、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)および11社とともに、小型月着陸実証機SLIMで文部科学大臣賞を共同受賞した。(上部画像はJAMPTのプレスリリースより。出典:JAMPT)

JAXA主導のSLIM、月面着陸成功を支えた金属3Dプリンティング技術

SLIMは、月面におけるピンポイント着陸技術の実証と、軽量な探査機システムの構築を目指してJAXAが主導したプロジェクトである。2024年1月に、月面への着陸に成功している。着陸方法としては、まず主脚で接地し、続いて機体を前方に回転させるという二段階方式を採用。これを支えるため、着陸時の衝撃を吸収する半円形の金属ラティス構造が採用された。この部品は、JAMPTが金属3Dプリンティング技術を用いて造形を担ったものである。

革新技術を顕彰する『日本産業技術大賞』、厳正な審査で受賞者を選定

「日本産業技術大賞」は、1972年に創設された技術表彰制度であり、その年に実用化された革新的技術成果を挙げた企業や団体を対象に選定される。受賞候補は、主要産業団体や学会からの推薦を受け、学識経験者らで構成される審査委員会(委員長:松本洋一郎、東京大学名誉教授・外務大臣科学技術顧問)によって厳正に審査される。

JAXAと11社による産学連携、SLIMで文部科学大臣賞を共同受賞

今回の共同受賞には、SLIMの開発・運用を主導したJAXAをはじめ、三菱電機株式会社、三菱重工業株式会社、株式会社IHIエアロスペース、明星電気株式会社、シャープエネルギーソリューション株式会社、古河電池株式会社、株式会社コイワイ、三菱電機ソフトウエア株式会社、三菱電機エンジニアリング株式会社、三菱電機ディフェンス&スペーステクノロジーズ株式会社、菱電湘南エレクトロニクス株式会社が名を連ねている。

JAMPT、金属3Dプリンティングで宇宙・未来社会に貢献

JAMPTは、金属3Dプリンティングという革新的な技術を活用し、今後も宇宙探査や科学技術の発展に寄与していくことを目指すとともに、新たなものづくりの価値を創造し、より豊かな未来の実現に向けて努力を重ねていく考えである。

材料開発から量産まで一貫対応、JAMPTが金属積層造形の先導企業へ

JAMPTは、2017年10月に設立され、日本で初めて材料粉末の開発・製造から試作品造形・量産対応までを一貫して提供するサービスビューロである。株主には双日株式会社、株式会社コイワイ、東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社が名を連ねており、東北大学・金属材料研究所および未来科学技術共同研究センターと連携し、強固な学術基盤のもとで技術サポートを受けている。JAMPTは今後も金属積層造形分野のリーディングカンパニーを目指していく。

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