日本3Dプリンター株式会社は、SHINING 3D社の新型3Dトラッキングシステム「EinScan Trak」の取り扱いを開始した。独立型の光学式トラッカーとワイヤレスハンドヘルド3Dスキャナーを組み合わせ、対象物へのマーカー貼付を必要としない点が特徴だ。
目次
マーカー貼付不要、最大4mのトラッキングに対応
EinScan Trakは、独立したトラッカーがハンドヘルドスキャナーの空間位置を認識することで、対象物にマーカー(ターゲットシール)を貼り付けることなく3Dスキャンを行えるシステムである。
トラッキング作動距離は800~4,000mm。大型部品を測定する際に必要だったマーカーの貼付・除去作業を省略でき、測定前後を含めた作業時間の短縮が期待できる。
さらに、スキャナーとPC、トラッカー間のデータ通信をワイヤレス化し、スキャナー本体にはバッテリーを内蔵した。ケーブルによる行動範囲の制約を受けにくく、高所や狭所、屋外などでの測定にも対応しやすい。


トラッキングと単体スキャンを切り替え可能
EinScan Trakは、トラッカーを使用するトラッキングモードに加え、ハンドヘルドスキャナーを単体で使用できる「デュアルフォーム」を採用している。対象物の大きさや測定環境に応じて2つの運用方法を使い分けることが可能だ。
スキャン方式には19+19本のクロスレーザー、7本の平行レーザー、1本レーザー、赤外線VCSELを搭載。最大スキャニングスピードは263万ポイント/秒、容積精度は最高0.1mm、ポイント間隔は0.05~10mmとなる。
自動車や航空宇宙、重機、大型鋳造品の測定をはじめ、文化財のデジタルアーカイブなどでの活用が想定されている。
なお、日本3DプリンターはEinScan Trakについて「業界初(※)」としている。これは2026年9月1日以前の製品を対象に、リアルタイムでのフルカラーデータ取得と、スキャナーユニットを取り外した単体運用の双方に対応するトラッキングシステム採用ワイヤレス3Dスキャナーについて、国内外主要5社を調査した自社調べによるものだ。




シェアラボ編集部コメント
大型部品の3Dスキャンでは、測定そのものだけでなく、大量のマーカーを貼り付けて測定後に剥がす作業も現場の負担となる。EinScan Trakは、このマーカー作業を不要とし、さらにワイヤレス化することで、大型ワークを扱う現場での取り回しを改善した点が興味深い。トラッキングとハンドヘルド単体の双方で使えるため、1台で幅広い測定対象に対応できることも強みとなりそうだ。
用語解説
| 3Dトラッキングシステム | 3Dスキャナーの位置や姿勢を外部のトラッカーでリアルタイムに把握しながら、対象物の三次元形状を取得する仕組み。大型部品などの測定に利用される。 |
| マーカーレス | 3Dスキャン時に、位置合わせの基準として対象物へ貼り付けるマーカー(ターゲットシール)を必要としない方式。マーカーの貼付や除去にかかる作業を削減できる。 |
| 容積精度 | 一定の大きさを持つ対象物全体を3Dスキャンした際に、取得した形状が実物に対してどの程度正確であるかを示す指標。大型部品の寸法測定などで重要となる。 |
| VCSEL | Vertical Cavity Surface Emitting Laser(垂直共振器面発光レーザー)の略。面に対して垂直方向へレーザー光を放射する半導体レーザーの一種で、3Dセンシングなどに利用される。 |
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