東京大学生産技術研究所 檜垣・山中研究室が手がける「Re charge」展、開催中

2025年6月30日
山中 俊治 氏のXより。

東京大学生産技術研究所 檜垣・山中研究室では、「Re charge」展を2025年7月31日(木)までの期間、アポイントメント制にて開催している。本展は、2023年度より特別教授に就任した山中 俊治 氏、および2024年度より准教授として新たに着任した檜垣 万里子 氏のもとで再始動したプロダクトデザイン研究室の現在進行中の研究成果を紹介するものである。(上部画像は山中 俊治 氏のXより。出典:山中 俊治 氏・東京大学生産技術研究所 檜垣・山中研究室)

再解釈と再始動をテーマにした「Re charge」展のコンセプト

本展のタイトルにある「Charge」という語には、電気的な蓄積を意味するのみならず、人間がエネルギーや活力を蓄えるという側面も含意されている。これに「再び」を意味する接頭辞「Re」を加えた「Re charge」という言葉は、既存の概念を再解釈し、新たなかたちで動き出す過程そのものを象徴している。本展では、そうした再定義と再始動のプロセスに着目し、完成品だけではなく、試行錯誤を重ねながら形を変えてきた試作段階の作品群も展示の対象としている。

プロトタイプと素材開発が示す「未来を形づくる途中経過」

展示されるのは、たとえば、電気自動車のパワーステーションの将来的な姿を想定しつつ設計・試作された複数のプロトタイプや、セラミック3Dプリンティングの未開拓な可能性を探る過程で生まれた造形物などである。こうした作品群を通じて、観覧者はエネルギーインフラの未来像から、未知の素材開発に至るまで、まさに「未来を形づくる途中経過」に触れる体験を得ることができる。

山中 俊治 氏のXより。(出典:山中 俊治 氏)
山中 俊治 氏のXより。(出典:山中 俊治 氏・東京大学生産技術研究所 檜垣・山中研究室)
山中 俊治 氏のXより。(出典:山中 俊治 氏)
山中 俊治 氏のXより。(出典:山中 俊治 氏・東京大学生産技術研究所 檜垣・山中研究室)

思考と創造の軌跡をたどる「Re charge」展の意義

「Re charge」展は、完成された成果物ではなく、そこに至るまでの試行錯誤や発見の連続に光を当てる試みである。展示されるプロトタイプや造形物は、いずれも電気自動車のエネルギーインフラやセラミック3Dプリンティングなど、未来の技術や社会に接続する問いを内包している。観覧者は、ブレインストーミング、設計、素材選定、加工、組み立てといった各工程に込められた創意や挑戦に触れながら、プロダクトデザインという行為の奥行きを追体験することになるだろう。再定義と再始動を掲げる本展は、単なる展示にとどまらず、観る者の思考をも“再充電”する機会となる。デザインとは、完成ではなく、常に変化と進化の途中にあることを実感させる内容である。

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