UltiMakerは、AIを活用した個別最適化型の学習プラットフォーム「MakerBot Nebula(メーカーボット・ネビュラ)」のベータ版を発表した。このプラットフォームは、3Dプリンティング、教育者向け支援、そして生徒ごとのパーソナライズ学習を統合したものである。(上部画像はMakerBot Nebulaのサイトより。出典:MakerBot)
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AIで個別最適化学習を支援する教育プラットフォーム「MakerBot Nebula」教室向けに登場
「MakerBot Nebula」は教室での使用を前提として設計されており、教師が創造的かつ印象的な学習体験を容易に提供できるよう支援することを目的としている。エンド・ツー・エンドの学習体験を実現する本プラットフォームは、使いやすく拡張性があり、生徒を中心とした教育ソリューションへの需要の高まりに応えるものである。複数のAIエージェントが教師を支援し、生徒ごとの進捗や理解度を可視化することで、個別最適な学習を実現する。
教育現場を支える3つの主要ツール:学習支援・授業設計・資金調達を包括
Nebulaには、以下の3つの主要ツールが搭載されている。
1. Learning Station(ラーニング・ステーション):
UltiMakerおよびMakerBot製3Dプリンターの操作方法、教室でのベストプラクティス、デザイン思考の導入法などを教師が学べる。なお、ベータ版では高度なトラブルシューティング機能やコース修了証は未提供となる。
2. Experience Builder(エクスペリエンス・ビルダー):
教師が自身の教育目標に基づき、生徒一人ひとりに合わせたダイナミックで差別化された学習プロセスを構築できるツール。進捗管理や学習スタイルへの対応も可能である。
3. Funding Assistant(ファンディング・アシスタント):
資金調達の壁を解消すべく、関連する助成金へのアクセスと申請プロセスをAIが支援する。教師がいくつかの質問に答えるだけで、申請文の作成支援がプラットフォーム上で行われる。ベータ版では「MakerBot Grants」のみが対象であり、今後さらに支援機会が拡大予定である。
教育現場への3Dプリンタ導入を支援するMakerBot Grants 最大4000ドル相当の支援パッケージを提供
同時に、「MakerBot Gives Back」イニシアチブの一環として「MakerBot Grants」の申請受付も開始された。この助成金は、アメリカおよびカナダのK-12教育者を対象としており、3Dプリンティング導入に必要なすべてを提供する。教育経験の有無に関係なく申請が可能である。
助成金パッケージ(総額約4,000ドル相当)には以下が含まれる:
• MakerBot Sketch Sprint 3Dプリンター1台
• PLAフィラメント20巻
• MakerBot Educators Guidebook 1冊
• 教室認証(教師1名+生徒30名分)
• 3年間のUltiMakerCareサービスプラン
AIと3Dプリントで学びを変えるMakerBot Nebula 教育現場の革新
UltiMakerが発表した「MakerBot Nebula」は、AIを活用した教育向けの新しい学習プラットフォームであり、3Dプリンティングと個別最適化学習を融合した点が特徴である。教師の負担を軽減しつつ、生徒の学習進度や理解度に応じた柔軟な教育を実現する仕組みが整っている。さらに、同時に開始された「MakerBot Grants」により、北米のK-12教育現場へ機材や教材の無償提供も行われ、導入障壁の低減が期待される。今後は、ベータ版でのフィードバックを活かし、より多くの助成制度や機能の拡充が進められる見込みであり、教育のデジタル化とSTEAM教育の推進において大きな役割を果たすことが期待される。
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