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ミスミグループ「meviy 」日本最大級の製造業マーケットプレイスの展開を発表

2024年9月24日に株式会社ミスミグループ本社は、東京都内会場とオンライン併用で「 meviy(メビー) 日本最大級の製造業マーケットプレイスの展開を発表」と題するメディア説明会を開催した。シェアラボも招待を受け丸岡がオンラインで参加した。(本記事内画像は主催者から配布された資料より引用)

meviyの概要

本説明会は主催者からの第1部、第2部の説明の後、参加記者からの質疑応答が行われた。まず第1部は株式会社ミスミグループ本社 常務執行役員 ID企業体社長 吉田 光伸 氏からmeviyの概要について説明があった。FAと金型用部品専門商社の株式会社ミスミが中核である株式会社ミスミグループ本社は、2019年に機械部品調達のAIプラットフォームとしてmeviyのサービスを開始。労働人口と就業時間が減る現在の日本産業全体に求められる、労働生産性を改革レベルにすることを目指し、その課題である調達現場の時間の3重苦「作図の手間」「見積もりの手間」「待ち時間」を減らし、ものづくりにおける最大の価値創造である時間の創出のため、顧客側の革新としてAI自動見積もり、生産側の革新として人が介在しないデジタルものづくりを構築し、サービスとして提供をしている。

meviyの概要と特徴

meviyは現在約17万名以上のユーザーがあり、累計3,000万件の利用がある国内最大級のものづくりプラットフォームである。
また2021年にヨーロッパ、2022年にアメリカ、2023年に中国、2024年2月にアジアへグローバル展開を進め、調達領域だけでなく、エンジニアリングチェーンのあらゆる非効率の時間を創出すべく、2023年には新サービス第2弾として、AIによる図面データの特徴自動認識を含む2D図面への対応を拡大する「meviy 2D」、 2024年8月には第3弾として、アップロード図面データからキーワードや類似検索が出来る機能「meviy finder」の無償提供を開始した。

meviy新サービス マーケットプレイスの概要

第2部では、株式会社ミスミグループ本社 meviy推進本部 プラットフォーム事業統括 チーフディレクター 浅野 智弘 氏から、新サービス「Marketplace(マーケットプレイス)」リリースの発表があった。サービス開発の背景として、meviy顧客へのアンケートや分析から、顧客ニーズは切削だけでなく、3Dプリンティング、熱処理、旋盤なと多岐で変化しており、それにいかにスピードをもって応えていけるかという課題が見え、そこからグローバルで約32万社の顧客と製造パートナーが直接つながるDXプラットフォームの構想に至ったとのこと。

meviy新サービス マーケットプレイスの構想

次にmeviy新サービス「Marketplace」の特徴について説明があった。現状製造企業が加工企業と新規取引を開始する際に発生する課題として、条件にマッチした調達先を探す手間、 契約や社内手続きのつながる手間、見積もりから製造納品までのやり取りの手間にかなりの時間をかけていることを調査分析し、その対策として下図に示す「AIマッチング」「即時・簡単」「デジタル完結」の3つの特徴をもつ 「Marketplace」 を第4弾サービスとして開発、リリースした。

meviyマーケットプレイス 主な3つの特徴

ユーザーはミスミ会員ID登録でサービスが利用でき、設計3Dデータをアップロードし、サービスカテゴリーから加工法を選択、見積条件、補足条件などを入力すると、登録パートナー企業からAIマッチングが適する企業を検索。 また見積回答の速い順や実績の多い順などで並べ替え表示でき、選択した3社まで見積依頼が出来る。その後のパートナーとのやり取りはチャットで一元管理され、製品要件書や見積書入手、発注までデジタルで完結する。現在の加工サービスカテゴリーは下図の通り、切削だけでなく、これまでできなかった3Dプリントも含まれ、今後順次製缶や架台など今年内目途に追加され、その後鋳造も追加される見通しのこと。

meviyマーケットプレイスのサービスカテゴリー

既に開始前テストサービスを利用したユーザーの声も複数紹介され、例として「スタートアップのスピード感で最適なパートナーが見つかる」、「開発サイクル短縮に貢献。取引のない加工業者とも付き合い試作開発の幅を広げられる」、「試作機を作るのに、原理試作は3Dプリント、機能評価は切削など使い分け、meviyとマーケットプレイスだけで部品調達出来た」などが紹介された。また加工パートナーからは「営業リソースをかけずに、最適人員配置もでき、売上の最大化が出来た」「見積負荷が軽減し、多くの見積対応が出来た」「得意な加工だけの依頼が来るので、 9割以上受注出来た」などの声が紹介された。

また、現行のmeviyで見積もりできなかった案件をマーケットプレイスにデータ連携して利用できるサービスを9月30日にリリース予定とのこと。また2024年10月2日(水)~10月4日(金)開催の設計・製造ソリューション展[大阪]2024 インテックス大阪 2号館 ブース番号:9-32にて出展するとのことで、新サービスに興味のある方には参加、ブース訪問をお勧めする。

質疑応答の概要

最後に会場およびオンライン参加の記者に対する質疑応答があり、吉田、浅野 両氏が回答をされた。シェアラボ 丸岡からは以下2つの質問をし、回答を得た。

  • 質問:
    マーケットプレイスの3Dプリントサービスは、ユーザー、パートナーとも国内限定でしょうか?
  • 回答:
    現状は国内限定。今後海外展開も検討していきます。
  • 質問:
    パートナー企業として登録するには基準または審査などはあるでしょうか?
  • 回答:
    それぞれの強みを持っていること、またはサポート体制など、お客様に満足いただけることが基準となります。

その他、ビジネスモデルとしては取引成約時にパートナー企業から手数料をミスミに支払う仕組みであること、またこれが完成形ではなく、AIやデータ活用でパートナー登録や見積りの簡素化機能の拡大など、今後お客様の声によりサービス改善していくなどの質問と回答があった。

meviyは昨年第9回ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞を受賞するなど、サービス開始以降急成長してきた、正に製造DXを実現した好例である。今回マーケットプレイスが追加されたことにより、国内の3Dプリンティング市場にもプラスの効果が波及することが期待される一方、他の工法との品質、コスト、時間の比較競争が激しくなることも容易に予想ができる。しかし、製造業のムダな時間が創造の時間に転換されていくことは、3Dプリンティングの社内活用、またはサービスビジネスの需要増大につながるとも考えられ、その点からもこの新サービスが今後発展、また継続的に改良されていくことに期待したい。

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今回の記事に関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきたmeviyに関する記事の中から2つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

設計者からAMソフトウエア・装置販売ビジネスに20年以上携わった経験と人脈を基に、AMに関わるみなさんに役立つ情報とつながりをお届けしていきます。

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