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みやぎデジタルエンジニアリングセンター 「デジタル製造先進セミナー」講演参加報告

宮城県産業技術総合センター(みやぎデジタルエンジニアリングセンター)は「デジタル製造先進セミナー
~ 世界・日本・地方のデジタルエンジニアリング・3Dプリンティング事例 ~」を2025年2月19日にCROSS B PLUS(宮城県仙台市)で開催した。シェアラボから丸岡が講演者として参加したので、概要を報告する。

開催概要

開催日時: 2025年2月19日(水) 午後1:30 – 午後5:15
会場:CROSS B PLUS(宮城県仙台市)
定員:50名

主催者コメント

現在、3Dプリンティング技術(Additive Manufacturing [AM])、AI、ソフトウェア、製品設計手法、製造技術などが分野を超えてかつて無いスピードで進化しています。
本セミナーでは、世界や国内、または地域からデジタルと3Dプリンティングを活用した事業に関わられている方々に多くご登壇いただき、デジタル製造技術の最先端の情報を広く深くお伝えいたします。

講演者

  • アディティブジャパン株式会社 代表取締役社長 トーマス・パン
  • イントリックス株式会社 ShareLab事業部 事業開発ディレクター 丸岡 浩幸
  • 伊福精密株式会社 代表取締役 伊福 元彦
  • 3D Architech合同会社 CEO / Founder 成田 海
  • 宮城県産業技術総合センター(みやぎデジタルエンジニアリングセンター) 伊藤 利憲

(敬称略)

講演者 左からパン氏、成田氏、伊福氏、丸岡(写真:主催者撮影提供)

講演概要

イベントの詳細内容については下記の主催者の開催報告ウェブサイトを参照されたい。
https://www.mit.pref.miyagi.jp/20250219-mde-digital-seminar/

当日は東北新幹線の運休と遅れにより参加できなかった方、講演者の到着遅れもあり、講演順や講演内容も変えざるを得ず、主催者も大変苦労をされた。それでも近県以外からも熱心な参加者があり、学びと人的交流の貴重な機会となった。この場をお借りして主催者、講演者、参加の皆様へ感謝の意をお伝えしたい。

伊福精密 伊福 氏からは、「製造業のゲームチェンジ」というタイトルで、金属加工の駆け込み寺®として同社が作り上げた、独自事業「DfAM+3DP+精密機械加工」の概要と特長、受託案件事例を紹介した。大変具体的な技術の説明と、実践されてきたからこそのリアルな苦労話は、多くの参加者の共感や関心を得た内容であった。

3D Architech 成田氏からは、シェアラボでも下記のインタビュー記事で詳しくお伝えした、同社が仙台とアメリカの2拠点で展開している事業の基礎となる技術の原理や特徴、発明や創業に至る経緯を詳しく解説し、それが世界的な課題であるデータセンターの冷却や水素製造の革新に寄与する可能性や、事業のビジョンについて語った。参加者にもその先進性、独自性、社会課題解決に向けた熱意が伝わったことであろう。

アディティブジャパン パン氏は、交通の乱れの関係上大幅に遅れて到着後、想定外の長時間の移動の疲れがあったにもかかわらず、大変貴重かつ多くの世界のAM産業について熱心に講演された。アメリカと日本で長年にわたり材料科学者、企業経営者としてAMに携わった経験と、世界中から集めて整理した情報から、現在の世界のAMの状況を解説。まとめとしてAMの課題とAIが大きく影響する近未来の展望を示し、特に日本での人材教育育成の重要性を提言した。

丸岡からは最近のShareLabニュースを通してわかる、世界的な変化に伴って日本でも起きているAM市場の変化の傾向について下の表に示すことを伝えた。

従来最近の変化
ビジネス開発の起点や重点ツール・メーカー モノ起点 競争重点用途・ユーザー コト起点 協業重点
影響を受ける地域・用途傾向欧米 用途は拡散・多様化中国(?) 用途は集約・特殊化
入ってくるお金の流れAM導入への補助金 短期回収的投資社会課題対応補助金 長期回収前提投資
主導するプレイヤーAM装置専業海外大メーカーAMユーザー 
”AMシステムインテグレーター”
重要なツールプリンター装置 材料ソフトウエア・AI MES 規格 評価
丸岡講演の様子(写真:主催者撮影提供)

まとめ

みやぎデジタルエンジニアリングセンターはシェアラボでも過去に下記の関連記事にてお伝えしてきた通り、「宮城AM研究会」を中心に長年にわたり、東北大学や県内近県企業を中心にAMの情報知識共有と、活用のための協働のハブとして活発な活動を続けている。今回のイベントは、開催場所も仙台駅に近くの新しい会場で、テーマも製造とデジタルに広げ開催されたことは、AM技術に狭まりがちな視点や人脈を広げ、ビジネスの観点からAMを観る試みとして良いイベントであり、他の地域の参考にも参考にされ、このような動きが広がることを期待したい。

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設計者からAMソフトウエア・装置販売ビジネスに20年以上携わった経験と人脈を基に、AMに関わるみなさんに役立つ情報とつながりをお届けしていきます。

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