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購入前にお試し!業務用3Dプリンターが利用できる公共施設

業務用3Dプリンターの性能は年々向上し、扱える素材や造形できる形状が増え、3Dプリンターでできることも大きく広がりました。しかし、高性能な3Dプリンターの導入には高額な予算が必要です。正式導入前にトライアルを行いたい場合など、低予算での3Dプリンターの利用を考える際には、レンタルや出力サービスを活用するか、公共施設、民間施設の3Dプリンターを使用することで予算を抑えることができます。

ここでは公共施設である公設試の3Dプリンターについて紹介します。

業務用3Dプリンターが利用できる公共施設

公設試験研究機関とは

業務用3Dプリンターをトライアルで使ってみたいという場合には、公設試を使うという手段があります。公設試とは、地方自治体が設立した公設試験研究機関の略称です。工業など産業の振興を目的として開かれている機関であり、技術相談や公設試が所有する機器の利用、さらに成分分析等の依頼試験や公設試との共同研究などを行うことができます。

公設試の利用方法は大きく分けて2種類です。1つは公設試に試験などを依頼し、製品や部品を評価してもらう方法。もう1つは公設試が所有する機器を借りて、自身で使う方法になります。

公設試にはさまざまな研究機器が設置されています。所有されている設備は公設試によって異なりますが、X線CTシステムやレーザー顕微鏡をはじめ、各種測定機器をそろえています。3Dプリンターを設置している公設試もあり、対応している素材も金属、樹脂、石膏など各種あります。

公設試を利用するメリット

公設試のメリットは、時間単位のスポットで利用できることと、利用価格が安価なことが挙げられます。3Dプリンターの購入を考えた場合、小型のものでも数万円以上かかるのが一般的です。高性能なものや大型のものを購入する場合は、数百万から数千万にもなります。また、造形用の粉末や後処理用の機器などの周辺機器も必要であり、多くの場合設置場所の工事も必要になります。しかし、公設試を利用すれば、1時間あたり1万円程度から利用することが可能です。

さらに公設試では出力サービスや技術相談も行っています。そのため、3Dプリンターの使用方法が分からない場合や、やりたいことが3Dプリンターで実現可能なのか分からない場合などでも利用することができます。3Dプリンターの出力を依頼するのであれば、もっとも高性能な業務用3Dプリンターを利用しても一般的な企業の出力サービスよりも割安で出力することが可能です。

ただし、公設試の目的上、長期間の連用は難しく、本格的な試作を行おうとした場合には、他者と利用時間を調整する必要が出る可能性があります。オンデマンドでの出力も難しく、利用料金が時間あたりで必要になるため、大量の出力を行おうとすると業務用3Dプリンターを購入した方が安くあがる可能性もあります。3Dプリンターの使い勝手を試すために利用するなど、今後のステップアップの通過点として利用することに関して大きなメリットがあります。

日本全国の公設試および保有3Dプリンター

全国の公設試の保有している機器は、以下の経済産業省のサイトで検索することができます。フリーワード検索欄に「3Dプリンター」と入力して検索することで、3Dプリンターを所有している公設試が出てきます。

>> 全国鉱工業公設試験研究機関保有機器・研究者情報検索システム

利用にあたっての注意点

3Dプリンターの利用申し込みの方法や利用価格は、各地の公設試や使用する機器により異なります。地域外の者が使用する場合は使用料が変わる場合もあります。また、公設試は地方自治体の施設であるため、企業が開設している工作スペースなどに比べて利用時間が短めです。機器等の調整により予定外に利用できないケースもあります。利用を検討している公設試のホームページや、直接問い合わせて事前に情報を確認してください。

まとめ

公設試の3Dプリンターは、本格的な生産や試作には不向きですが、トライアルでの使用や、数回の使用でできる試作に利用する場合には、コストパフォーマンスに優れる使い勝手の良い設備と言えます。正式導入前のトライアルや、低予算での業務用3Dプリンターの利用を考える際の一つの手段として検討してください。

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