2032年までに中国で3Dプリント ハードウェアの売上が 80億ドル規模へ
中国の積層造形(AM)市場において、2032年までにハードウェア売上高が年間80億ドルに達するとAdditive Manufacturing Research(以下、AMリサーチ)は予測している。(上部画像はAMリサーチのウェブサイト。出典:AMリサーチ)
世界で最も急成長している市場の1つ
AMリサーチによると中国のAM市場は「世界で最も急成長している市場の1つ」。この成長の主な要因として「政府の景気刺激策」を挙げている。これは、最近のAMリサーチの分析における重要なテーマである「公共部門の役割」を強調するものだ。特に中国市場では、政府支援は過去の重要な役割を果たしてきた。現在でも国際舞台での米国と中国の政治的な対立は先進的な製造技術分野における競争にも波及しており中国の影響力の増進のために中国政府は産業育成に余念がない。
中国政府の強力な支援
中国は、政府の強力な支援と政策により、3Dプリント技術の分野で急速な成長を遂げている。たとえば「中国製造2025」や「インターネットプラス」などの政策が、製造技術の普及と産業のデジタル化を推進している。中国企業は政府からの助成金を活用して3Dプリント技術の導入を加速。日本では想像もできない数十台、数百台の装置による並列生産によるリードタイム削減やコスト削減を実現しているという。
航空宇宙、自動車、医療などの分野での3Dプリントの活用が進み、複雑な部品の製造や試作品の迅速な作成が可能となっているが、こうした動きを研究機関や大学も積極的に支援しており、新素材の開発や新技術研究だけではなく、製造プロセスの最適化研究開発や技術支援に取り組んでいる。
年間80億ドルに達する見込み
AMリサーチによれば、今後10年間で中国の3Dプリント市場は年間80億ドルに達する見込みである。政府の投資と支援が大きな推進力となり、産業全体のデジタル化と効率化が進展し、新しい素材の開発や製造プロセスの最適化が進むことで、3Dプリント技術の適用範囲が広がり、複雑な部品の製造やカスタムメイド製品の生産が容易になる。これにより、さらに多くの企業が3Dプリント技術を導入し、製造コストの削減と生産効率の向上を実現することが期待されている。
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