旭化成がイスラエルの3Dプリンティング向けソフトウェアメーカーに出資
旭化成株式会社(東京都千代田区)が、産業用3Dプリンティングソフトウェアを開発するイスラエルのスタートアップ企業Castor Technologies Ltd.(以下、CASTOR社)への出資参画を決定したことがわかった。
旭化成は、自社が提供する樹脂CAE技術サービスの前段階にCASTOR社のソフトウェアを活用することで、より高度なシミュレーションの自動化を目指すとしている。CAE(Computer Aided Engineering)技術とは、製品設計やその前段階において、コンピューターを使ってその妥当性を検討するための手助けをする技術を指す。
(画像はCASTOR社のソフトウェア使用イメージ/出典:旭化成)
CASTOR社のソフトウェアで3Dプリントに適した部品を自動的に特定
金型を使わずに複雑な造形が容易に行える3Dプリンターの市場規模は、2015年以降で年平均20%超を達成している。今後は年平均約24%成長する可能性が高いとされている。しかし、既存の製品を3Dプリンターで製造しようとする場合、製品を構成するどの部品を3Dプリントするかの決定や、場合によって必要となる形状修正を加える作業は人の判断によって行われているのがほとんどだ。
今回、旭化成が出資するCASTOR社が独自に開発したソフトウェアを使用すると、高度なアルゴリズムの適用により、ひとつの製品を構成する数千の部品を示す部品表やCAD図面から3Dプリントに適した部品を自動的に特定したり、3Dプリントに適した形状への修正提案を受けたりできるようになるという。
さらに、部品の製造コストやリードタイム、CO₂排出量を計算する機能も有しており、顧客の製造プロセスの最適化に貢献できる。CASTOR社のサービスとソフトウェアは、旭化成社が行う顧客の製品の設計開発をサポートする樹脂CAE技術サービスの前段階にあたり、親和性が高い。旭化成は、CASTOR社への出資を通じて技術理解を深めつつ、自社とCASTOR社の技術をかけあわせることで、さらに高度なシミュレーションの自動化を目指す。その実現のために、両社のサービス拡張に向けた検証を進めていくと発表した。
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