ExtraBold R&Dと南洋理工大学が、プラスチックリサイクル問題に取り組むための共同開発契約を締結
ExtraBold(以下、エクストラボールド)の子会社ExtraBold R&Dとシンガポールの南洋理工大学との間でプラスチックリサイクル問題に取り組むための共同開発契約を締結した。シンガポールは3Dプリンター活用に官民連携して取り組んでおり、世界の企業との共同研究も複数行われているが、エクストラボールドはシンガポールの南洋理工大学内にラボを設置し、プラスチックリサイクル技術の共同開発に取り組むとしている。(写真は契約調印風景。出典:ExtraBold)
プラスチックリサイクルの現状と課題
エクストラボールドによると、世界全体の廃棄プラスチック量は3億トンを超えており、2040年までにはこの数値が倍増すると予想されている。一方、プラスチックのリサイクル率は10%未満で、世界各国でプラスチックの再利用を促進する取り組みが進められている状況だ。適切に処理されず海に流れついたプラスチックごみが海洋生物に与える深刻な影響が世界的な課題となっている。廃棄プラスチックの増加量に対応するサステナブルな取り組みはまだ道半ばで、コストと品質の両面から解決策が求められている。日本でも「プラごみ」は分別回収が行われているが、コストの問題から大半は焼却する際の燃料として利用されており、真の再生利用には至っていないのが実情だ。
共同開発契約の背景と目的について
こうした社会課題も踏まえて、エクストラボールドと南洋理工大学はプラスチック材料のリサイクルに関する共同研究を行う。エクストラボールドR&D社は、再生プラスチック材料に対応したペレット式3Dプリンターやペレット製造装置を使った材料リサイクルの実績があり、南洋理工大学のキャンパス内にある「シンガポール3Dプリンティングセンター(SC3DP)」には両者が共同で研究開発を行うラボが設置される。
具体的な研究内容の詳細については、現段階では明らかにされていないが、「当社ExtraBoldが開発しているペレット樹脂方式の3Dプリンティング技術と樹脂コンパウンド技術は、上記の課題を解決する大きな可能性を持つと確信しています。さらに、バイオプラスチックを使用した樹脂材料の造形技術開発にも注力しています。これにより、新たな価値を創出し、3Dプリンティング技術の適用範囲を拡大することを目指しています。」とエクストラボールドは意欲を見せる。
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