ドイツを拠点とする積層造形材料ブランドのForward AM Technologies社(以下、Forward AM)が、大手3Dプリンターメーカー、Stratasys(イスラエル・レホヴォト)によって買収された。Stratasysは、Forward AMの主要資産および事業を取得したと発表。今後、Forward AMは「Mass Additive Manufacturing GmbH」という新会社として、Stratasys傘下の独立企業体として運営される。ブランドとしてのForward AMはこれまで通り継続し、あらゆるパートナーやプラットフォーム向けに高品質な材料や技術サポートを提供していくという。(上部画像はForward AMのプレスリリースより。出典:Forward AM)
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Stratasysの支援でForward AMのリソース・ネットワークが大幅強化
Stratasysの支援により、Forward AMはリソースやネットワークが大幅に強化され、より迅速なイノベーションや製品開発が可能となる。積層造形分野において顧客のニーズに幅広く応える体制を整えるという。一方で、機密性の保護についても従来通りの運用を継続し、社内の厳格なプロトコルと専用システムにより、顧客のプロジェクト情報は外部へ漏えいしない体制を維持するとのこと。Forward AMは「誠実さと信頼」を事業の土台とし、これまで通りの信頼関係を築いていくとしている。
さらに、Forward AMは「今後数週間のうちに、最新の動向や取り組みについて改めてお知らせしていく」としており、引き続きユーザーとのパートナーシップ強化を目指す姿勢を示した。
質問や問い合わせについては、従来通り直接コンタクトが可能だという。
Forward AMについて
Forward AMは、ドイツを拠点とする積層造形分野の材料ブランドである。主に産業向けに高品質な3Dプリンティング材料を提供し、技術サポートやコンサルティングサービスも行っている。特に、プラスチックや金属材料の開発に強みを持ち、航空宇宙、自動車、医療分野など幅広い産業で活用されていた。
Stratasysは積層造形分野で世界をリードする大手メーカー
Stratasysは、3Dプリンティング業界の大手メーカーである。主にFDM(熱溶解積層)方式やPolyJet方式の3Dプリンターを中心に、航空宇宙、自動車、医療、教育など幅広い産業向けに製品とサービスを提供している。1990年代初頭にアメリカで創業後、2012年にイスラエルのObjet社と合併し、現在はイスラエルを法人登記上の本拠地としつつ、グローバルに事業を展開している。特に樹脂系3Dプリンター分野では世界的に高いシェアを有し、材料開発やソフトウェア、サービスの分野にも力を入れている。近年はM&A戦略を強化し、ドイツのCovestroや今回のForward AMなどを買収し、さらなる成長を目指している。
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