過去最高のサイズ、速度、強度を実現する Markforgedの新たな業務用3Dプリンターとフィラメントを発表
業務用3Dプリンターメーカー Markforged(以下、マークフォージド社)は同社のプラットフォームに新型3Dプリンター「FX20」と複合材料「ULTEM 9085」を追加すると発表した。同社の主力3Dプリンター X7 と比較し、2倍の速度で、約5倍の容積の部品製造が可能となる。
マークフォージド社のAM事業展開
マークフォージド社は、高い強度を有する工業用部品の 3Dプリントにおいて世界をリードするプリンターメーカーだ。樹脂による 3Dプリントのみならず、金属材料も扱っており、工業用途の部品製造を幅広く支援する。
同社の取り組みは 3Dプリンターの製造に留まらず、ソフトウェア、材料、製造ラインを有機的に結び付け、より効率的で柔軟な製造体験を顧客に提供する。この包括的なソリューションこそ、同社の提供する The Digital Forge プラットフォームだ。
同社はこれまで、複合樹脂を用いた工業用途の 3Dプリントには、「X7」プリンターを主力としていた。しかし、この度、新たな 3Dプリンター 「FX20」を The Digital Forged プラットフォームに追加することを発表した。
製造速度、サイズ上限の向上を実現ーFX20
マークフォージド社の FX20 は、製品製造における「速度」と「サイズ上限」を向上させる。
従来の主力商品である X7 と比べ、プリントヘッドを 2倍の速度で動かすことができ、最大 525 mm × 400 mm × 400 mm のサイズの部品製造が可能だ。これで部品サイズ上限は X7 の約5倍となった。
加えて、チャンバー内のセンサーによるフィードバックが製品の精度、品質、信頼性を高める。また、チャンバー内温度を最大 200℃ に維持できる機能を追加した。こうした機能は、3Dプリントにおける新たなアプリケーションを開拓することになるだろう。
新たに樹脂の仕様も可能に
FX20では、新たにULTEM 9085樹脂の使用も可能となる。
ULTEM 9085 は、SABIC社の登録商標で、高い強度対重量比、耐熱性、耐薬品性を有し、発火、発煙、煙による毒性の危険も少ない。この材料とマークフォージド独自の3Dプリント技術の融合によって、より堅牢で耐久性のある製品が製造可能だ。
今後の展開
マークフォージド社では、造形サイズ、造形速度を向上、そして強度と耐熱性に優れた独自素材を活用し、航空宇宙、軍事、自動車、石油・ガスなど最も要求の厳しい産業分野への参入を目指している。FX20 は2022年前半に世界中に出荷される予定だ。
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