COBOD社が建設用3Dプリンター設計用のアプリをリリース
デンマークに拠点を置くCOBOD社が、自社3Dプリンター「BOD2」を構成・設計するためのアプリ「COBODO Configurator」をリリースした。大型の建設用3DプリンターであるBOD2にどのような設定をすればどのような造形ができるを容易にシミュレーションできる。
「COBODO Configurator」リリースの目的
COBOD社建設3Dプリンターはこれまで、世界中で自社の3Dプリンターを展開してきた。たとえばドイツ初の3Dプリント住宅の建設時に使われたのは、COBOD社の建設用3Dプリンター「BOD2」だ。
BOD2はヨーロッパで初めて3Dプリントされた建物を担当したプリンターでもある。このニュースについては以前ShareLabNEWSでも詳しく取り上げているのでぜひ参照してほしい。
COBOD社が今回3Dプリンター用の設定アプリをリリースしたのは、建設現場のニーズに合わせて自分だけの構成や設計を行うためだ。建設用3Dプリンターをより身近に、より楽しめるものにし、3Dプリンター市場の拡大と、自動化された建設3Dプリントをこれまで以上に幅広い顧客層に提供することを目的としている。
「COBODO Configurator」でできること
「COBODO Configurator」では、ユーザーはWeb上のアプリでボタンひとつで建設用3Dプリンターを設定できる。造形する構造物の幅や長さ、高さ(階数)を設定し、COBOD社がこれまで世界各国で完成させた3Dプリント建築から、イメージに近いものを選択する。
選択が完了したら、実際にどのような工程で3Dプリントが行われていくのかを、アプリ上でシミュレーション可能だ。建設に使用する大型の3Dプリンターの場合、デスクトップ型のように何度も試作をすることはできない。アプリ上できちんとシミュレーションをすることで効率的に3Dプリントが可能になる。
COBOD社について
COBOD社は、3Dロボティクスと自動化によって、世界の建設業界の刷新をミッションに掲げている。3Dプリンターにより、効率や労働力、材料費の課題をクリアし、より速くより安く、より良い建設をすることを目的としている。
日本では人口減少が始まったが、世界的に見れば人口は急増を続けている。COBOD社によれば今後数十年で30億戸の住宅が不足するとのこと。熟練労働者の不足、求められる建設の効率化とスピードアップという課題を解決するために、3Dプリンターによる建設の自動化を目指している。
COBOD社の3Dプリンターはアメリカにおける初めての建設用3Dプリンターとしても導入されている。この件についても過去にShareLabNEWSでも詳しく取り上げている。
世界的な展開を見せるCOBOD社は、今後建設の世界を根本から変えていくことになるかもしれない。
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