EOS、AMプロセス効率化のためにMaterialiseのAMソフトウェアプラットフォームを採用

2023.05.11

ドイツに本社を置く3DプリンターメーカーのEOS社は、自社のAMプロセスを効率化するために、Materialise社のCO-AMソフトウェアプラットフォームを採用したことを発表した。同製品を採用することで、複数の生産設備をより効率的に管理できるようになる（画像はCO-AMの概念図　出典： Materialise社）。

1 EOS社がMaterialise社の製造管理システムを導入
2 複数拠点で複数台の3Dプリンターを稼働させるために
3 既存システムと連携が容易な製造実行管理システム
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EOS社がMaterialise社の製造管理システムを導入

CO-AMの画面（出典：Materialise社） — CO-AMの画面（出典： Materialise社）

EOS社は、ドイツに本社を置く3Dプリンターメーカーだ。ドイツ、アメリカ、そして日本を含むAPAC地域のさまざまなエリアに製造拠点を構えている。

世界各地に分散したAM施設はEOSのアプリケーションエンジニアリングサービスを支えているが、その管理が重要な課題になっていた。そこで、複数あるAM施設と3Dプリンターの製造プロセスを管理し、トレーサビリティと効率性を向上させるためにMaterialise社の製造管理システムであるCO-AMを導入する運びとなった。

Materialise社のCO-AM Software Platformは、3Dプリントプロセスの各ステップを計画、管理、最適化するプラットフォームだ。同製品の特徴は、すでに導入済みの幅広いソフトウェアツールとの連携機能を有する点にある。EOS社は、CO-AMをデータや顧客関係管理ソフトウェアなどの既存のインフラに統合し、EOS社の3Dプリンターに接続。CO-AMは、受注管理から生産スケジューリング、製造モニタリング、後処理まで、EOS社内のAMワークフローをサポートしているということだ。

複数拠点で複数台の3Dプリンターを稼働させるために

複数拠点にまたがった生産設備で最適な製造を行うためには、進行中の生産計画の可視化と最適化が必要になる。CO-AMの生産管理スケジューラーは、予定と実際の造形機の稼働状況を表示し、稼働率の向上をサポートすることが可能だ。

EOS社のデジタルマニュファクチャリング部門の責任者であるTrevor Kirsten氏は、「CO-AMのようなツールは、ツールの使用コストを上回るAM生産の効率化を提供することができます」と述べている。さらに、「CO-AMでコネクティビティとトレーサビリティを強化することで、粉末消費量の削減やオペレーションに必要な装置台数の削減など、生産プロセスの効率化を目指します」と続けた。

製造計画だけではなく、品質管理の観点でも多くのメリットがある。Materialise社のソフトウェアにより、オペレーターやエンジニアが造形のステータスとプロセスセンサーデータを監視し、スクラップ率や品質管理を集計し管理できるようになる。

現場のタブレット端末から操作閲覧も可能（出典：Materialise社） — 現場のタブレット端末から操作閲覧も可能（出典： Materialise社）

EOSのチームメンバーは、製造現場からのIoT技術を活用したフィードバックを行うことで、リアルタイムに製造状況の把握ができるようになっている。手元のスマートフォンからCO-AMプラットフォームを操作することで、パーツの取り出し、パウダー除去、後処理の作業をリアルタイムで報告、確認することができるという。

既存システムと連携が容易な製造実行管理システム

Materialiseのグローバルカスタマーサクセス部門責任者である、Jim Carlson氏は、「CO-AMプラットフォームの主な利点のひとつは、企業がソフトウェアを既存の製造技術と統合することで、ニーズに適応させることができるオープンで柔軟なアーキテクチャーだということです。 EOS社とMaterialiseは長きにわたりパートナーシップを結んできました。今後もより効率的で接続性の高いアディティブワークフローを実現するためにコラボレーションしていけることを大変光栄に存じます」と述べ、生産設備が複数台に増えても製造管理システムを導入することで効率的な管理ができることを強調した。

生産体制のさらなる効率化により、3Dプリント技術を用いたものづくりが普及することを期待したい。