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ガラス繊維強化プラスチックを再利用したフィラメントを開発

あいち産業科学技術総合センターと株式会社イハラ合成は、環境配慮型の製品開発における一環として、自動車部品製造過程で発生するガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(以下、GFRTP)の廃材を有効活用するための共同研究を進めてきた。この度、当該廃材を利用した3Dプリンター用フィラメントの開発に成功し、廃棄物の削減と資源のリサイクルに新たな道を拓く成果を上げた。(上部画像はあいち産業科学技術総合センターのプレスリリース。出典:あいち産業科学技術総合センター)

あいち産業科学技術総合センターと株式会社イハラ合成の共同研究の背景と目的

あいち産業科学技術総合センターと株式会社イハラ合成の共同研究の背景と目的は、環境保全と資源の有効活用にあり、自動車部品製造過程で発生するGFRTPの廃材を、廃棄するのではなく、有用な資源として再利用することに重点を置いている。自動車産業では、軽量化と強度を兼ね備えたGFRTPが広く利用されているが、その製造過程で避けられない廃材の処理が環境問題として指摘されてきた。この共同研究は、そうした廃材を減少させ、かつ新たな価値を生み出すことで、サステナブルな社会の実現に貢献することを目的としている。また、廃材のリサイクルを通じて新たな製品を開発することは、資源循環型社会への大きな一歩であるとともに、3Dプリント技術の新たな応用領域を開拓する試みでもある。

開発したフィラメントと開発品の諸物性
開発したフィラメントと開発品の諸物性(出典:あいち産業科学技術総合センター、株式会社イハラ合成)
開発した3Dプリンター用フィラメントを使用したネジの成形品(出典:あいち産業科学技術総合センター、株式会社イハラ合成)
開発した3Dプリンター用フィラメントを使用した犬やフクロウの成形品(出典:あいち産業科学技術総合センター、株式会社イハラ合成)

あいち産業科学技術総合センターと株式会社イハラ合成の今後の展望と社会への影響

GFRTPの廃材を利用した3Dプリンターフィラメントの開発は、廃棄物のリサイクルと資源の有効活用の新たなモデルを提案している。この取り組みが広がれば、製造業における廃材の処理問題に対する持続可能な解決策となり得る。社会への影響としては、資源循環型社会の実現に向けた大きな一歩となり、環境保護に対する意識の高まりとともに、経済的な利益にも繋がる可能性がある。また、このフィラメントの普及は、3Dプリンティング技術の応用範囲を広げ、より多様な製品開発へと道を開く。これにより、環境負荷の少ない製品が市場に出回ることが期待され、消費者の選択肢も拡がる。

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