株式会社Bfull(以下、Bfull)は、3Dプリンター受託造形サービスの対応材料として、新たに「高硬度ABSライク樹脂(黄)」の提供を開始した。従来のABSライク樹脂では対応が難しかった高い剛性が求められる機能試作に対応し、試作品の検証精度向上や開発期間の短縮を支援する。
目次
高剛性材料で機能試作の精度向上を支援
従来から提供されているABSライク樹脂は、外観確認や試作品製作など幅広い用途で利用されてきた。一方で、機能検証では曲げ弾性率(剛性)が不足し、荷重が加わることで部品がたわみ、本来想定する評価が難しくなるケースもあった。
今回追加された高硬度ABSライク樹脂(黄)は、この課題を解消するために剛性を高めた材料である。変形を抑えながら試作できるため、開発初期段階での機能検証の精度向上につながり、製品開発の効率化や開発期間の短縮への貢献が期待される。
大手カスタムパーツメーカーでも採用
同材料は、すでに国内の大手カスタムパーツメーカーにおいて内製試作へ導入されている。
新型エアロパーツのフィッティング(嵌合)確認や、形状を維持した状態で行う風洞試験などの機能評価で活用されており、従来材料では変形しやすかった形状でも高い剛性を維持できるため、実製品に近い条件での評価が可能になるという。
高い剛性と加工性を備えた新材料
高硬度ABSライク樹脂は、一般的なABSライク樹脂よりも高い曲げ弾性率を備え、薄肉部でもたわみにくいことが特徴である。鋭いエッジや細かな形状も維持しやすく、高精度な試作品の製作に適している。
また、熱たわみ温度は60~72℃まで向上しており、塗装時の低温乾燥工程や比較的穏やかな高温環境での評価にも対応する。さらに、切削加工性にも優れ、タップ加工やサンドペーパーによる仕上げも行いやすい。
幅広い試作分野での活用を想定
同社では、自動車・バイク向けのエアロパーツやダクト、内装治具の機能試作をはじめ、家電・OA機器の高剛性筐体や内部フレーム、産業用機械の組付け確認用治具や検査ゲージなどでの利用を想定している。また、嵌合確認が必要な精密部品など、変形を嫌う試作品にも適しているという。
なお、自動車のエンジンルームなど60~72℃を超える高温環境での使用は推奨していない。
株式会社Bfullは今後も新材料や新技術の導入を進め、3Dプリントによるものづくりを支援していくとしている。
シェアラボ編集部コメント
試作品に求められる役割は、形状確認だけでなく、実際の組付けや機能評価へと広がっている。その中で「たわみにくさ」は評価精度を左右する重要な要素の一つだ。今回追加された高硬度ABSライク樹脂は、光造形品の弱点を補いながら、受託造形サービスで手軽に利用できる点が特徴である。高価な設備を導入せずに高剛性材料を試せることから、自動車や産業機械をはじめとした試作開発で活用の機会が増えそうだ。
用語解説
| ■ ABSライク樹脂 ABS樹脂に近い強度や靭性を持つよう設計された光造形(SLA・LCD方式)3Dプリンター向けの樹脂材料。試作品や治具、外観確認用モデルなどに広く使用される。 |
| ■ 曲げ弾性率 材料に曲げる力を加えた際の変形しにくさ(剛性)を示す指標。数値が高いほどたわみにくく、荷重がかかっても形状を維持しやすい。 |
| ■ 熱たわみ温度(HDT) 一定の荷重がかかった状態で材料が変形し始める温度を示す指標。数値が高いほど、高温環境下でも形状を維持しやすく、耐熱性能の目安として用いられる。 |
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