株式会社サンステラ(東京都豊島区、以下、サンステラ)は、Polymaker社が開発した新素材「パンクロマ™ PLA 半透明フィラメント」および「パンクロマ™ PLA 半透明レインボーフィラメント」を、2025年11月10日より日本国内で販売開始した。この新フィラメントは、従来のパンクロマシリーズが誇る色彩設計・質感表現の技術をベースに、透明・半透明仕様へと進化させたものである。光の透過と造形物の薄さによって、まるで内部から輝くような美しいグロー効果や、奥行きある色彩表現を実現する。主にランプシェード、舞台小道具、装飾部品、リトファン(透かし絵)など、ビジュアル演出に重点を置いた造形に適している。
目次
透けるPLAの新しい可能性
- 優れた透明感と色表現力
パンクロマ™半透明PLAシリーズは、光を透過させる設計により、単層・薄壁でも高い視覚効果を発揮する。透明素材特有の奥行きや光の広がりを活かした演出が可能となる。
- 幅広いプリンターとの互換性
FDM/FFF方式の一般的なデスクトップ型3Dプリンターに対応しており、特別な設定を必要としない。密閉型、開放型いずれのプリンターでも安定した造形が可能である。なお、BambuLab製3Dプリンターに関しては、Polymaker公式wikiにて推奨パラメーター情報が公開されている。
- リトファン造形に最適なカラーラインナップ
製品は、半透明シアン・マゼンタ・イエロー・グレー・ナチュラルの5色で展開。CMYKカラーを透過素材で揃えることで、光を通すことで絵を浮かび上がらせるリトファンの造形において、より忠実かつ鮮明な表現を可能にする。加えて、BambuLab社のリトファン用バックボードなど、関連製品の取り扱いも強化している。


3Dプリンティングのクリエイティブ用途に新たな選択肢を
3Dプリンターの用途は、従来の試作や構造体造形を超え、近年では演出・装飾・光の演出など「見せる造形」への需要が高まっている。パンクロマ™半透明PLAは、こうしたニーズに応えるべく、視覚的な付加価値を手軽に加えられる素材として開発された。
初級ユーザーからプロフェッショナルまでを対象に、LEDによるバックライトや多層の透過演出など、今までにない造形表現を可能にする。また、材料選定から造形設定、導入後の技術支援、アフターサービスに至るまで、サンステラが一貫して対応することで、導入後の安心感も提供される。


製品情報
- 製品名:パンクロマ™ PLA 半透明フィラメント(5色)/パンクロマ™ PLA 半透明レインボーフィラメント
- フィラメント径:1.75 mm
- 内容量:1 kg(1スプール)
- 推奨印刷温度:190~230 ℃
- 推奨ベッド温度:25~60 ℃
- 販売価格(税抜):3,080円
- 発売日:2025年11月10日
- 販売チャネル:サンステラ3Dモール、Polymakerストア、正規取扱店各社
パンクロマ™PLA半透明:3Dモール(半透明)、Polymakerストア(半透明)
パンクロマ™PLA半透明rainbow:3Dモール(レインボー)、Polymakerストア(レインボー)
※詳細な仕様については、TDS(技術データシート)およびSDS(安全データシート)を参照のこと。
Polymakerとサンステラの信頼性
Polymakerは、年間500万巻以上の出荷実績を誇り、産業用途を中心に高い信頼を得ているグローバルブランドである。Jam-Free™ Technologyによりノズル詰まりを防ぎ、連続造形においても高い安定性を発揮。高性能なHT-PLAなど、機能性素材の開発にも定評がある。
一方、サンステラは3Dプリンター分野における10年以上の経験を持ち、年間2,500台超の販売実績を誇る専門商社である。世界各国の有力メーカーとの正規代理店契約を通じて、国内市場における信頼あるサポート体制を構築してきた。
今回の新製品投入により、国内の3Dプリンター市場において、表現力と透明感を重視した造形素材の新たな選択肢が加わることとなった。
シェアラボ編集部コメント
本製品は、3Dプリントにおける色彩と光の表現を次の段階へと引き上げる意欲的な素材である。従来のPLAに比べ、デザイン性や演出効果を重視するクリエイターにとって大きな魅力となるだろう。リトファンとの親和性も高く、教育・趣味・アート・展示分野など多様な用途への展開が期待される。
用語解説
| ■ パンクロマ™(Panchroma™) Polymakerが展開する高彩度・高品質な3Dプリント用フィラメントシリーズ。今回登場した半透明タイプは、色彩と光透過の両立を可能にし、視覚演出の幅を拡張する。 |
| ■ PLA(ポリ乳酸) トウモロコシやサトウキビなど植物由来の原料から作られるバイオプラスチック。熱可塑性があり、FDM方式3Dプリンターで広く使用される環境負荷の少ない材料。 |
| ■ FDM/FFF(Fused Deposition Modeling / Fused Filament Fabrication) 熱でフィラメントを溶かし、積層して造形する3Dプリント方式。家庭用から業務用まで幅広く普及している。PLAとの相性が良く、扱いやすい点が特徴。 |
| ■ リトファン(Lithophane) 光を背後から当てることで濃淡の絵柄が浮かび上がる3Dプリント技術。厚みの違いで画像を表現し、半透明フィラメントとの組み合わせで高精細な視覚効果が得られる。 |
| ■ グロー効果(Glow Effect) 光が素材内部を透過・拡散し、内側から発光しているように見える視覚的演出。薄壁造形や照明用途で特に効果を発揮する。 |
| ■ BambuLab(バンブーラボ) 高速・高精度な造形が可能なデスクトップ型3Dプリンターで知られる中国のメーカー。Polymaker製フィラメントとの高い互換性を持ち、公式wikiで設定情報も提供されている。 |
| ■ CMYK 印刷や色表現で使われる基本の4色(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の頭文字。3DプリントでCMYの半透明色を用いることで、カラー演出の忠実性が高まる。 |
フィラメントの関連記事
今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中からピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。



