Bambu Lab、大型3Dプリンター「A2L」を発表 造形サイズ105%拡大、カッティングや描画にも対応

2026年6月8日
出典:Bambu Lab
出典:Bambu Lab

Bambu Labは2026年6月1日、新型デスクトップ3Dプリンター「A2L」を発表した。造形サイズを大幅に拡大するとともに、ブレードカッティングやペン描画モジュールなどの拡張機能に対応し、同社は「Creative Playground(クリエイティブ・プレイグラウンド)」と位置付けている。

A2Lは330×320×325mmの造形エリアを備え、一般的な256mmクラスの3Dプリンターと比較して約105%大きな造形容量を実現した。大型のコスプレアイテムやRC(ラジコン)パーツ、ライフスタイル製品など、一体造形が難しかった大型モデルの製作を想定している。

大型造形とモジュール拡張を両立

A2Lの特徴は単なる大型化だけではない。

本体はブレードカッティングモジュールやペン描画モジュールに対応しており、用途に応じてツールヘッドを交換することで、3Dプリンター以外の工作用途にも活用できる。

Bambu Labは、こうした拡張性によって創作活動の幅を広げることを狙っている。

新型サーボエクストルーダーを採用

A2LにはPMSMクローズドループサーボエクストルーダーを搭載した。

高速印刷時でも安定した押出制御を行うほか、押出異常をリアルタイムで監視する機能を備える。フィラメント詰まりや供給異常の早期検知により、造形失敗の低減を目指している。

また、A1シリーズで搭載されていた以下の監視機能も継承した。

  • フィラメント切れ検知
  • ノズル詰まり(エアプリント)検知
  • フィラメントスプール絡まり検知

振動制御機能を強化

大型造形では振動による表面品質の低下が課題となる。

A2Lでは新たに適応型振動補正アルゴリズムを採用し、多点キャリブレーションと負荷変動への自動対応を実現した。

これにより大型モデルで発生しやすいゴースティングやリンギングを抑制する。

さらに、本体フレームには2基のパーティクルダンパーを内蔵。物理的に振動を吸収することで、細部の造形品質向上を図っている。

最大19色の多色造形に対応

A2Lは最大4台のAMSと1台のAMS Liteを接続可能で、最大19色による多色造形に対応する。

また、静音モード時の動作音は49dB、標準モードでも約52dBに抑えられている。

デュアルノズルは非搭載

一方で、近年注目を集めるデュアルノズルやマルチツールヘッド技術は搭載されていない。

Bambu Labはその理由について、「大型造形における使いやすさと信頼性を優先したため」と説明している。

同社によれば、A2Lは大型モデルを手軽に製作することを重視しており、デュアルノズル機能を求めるユーザーには上位機種であるX2Dシリーズを推奨している。

ベッド温度は最大80℃

A2Lの最大ベッド温度は80℃となっている。

A1シリーズより低い設定となるが、同社はオープンフレーム構造であることからPLAやPETGを主な対象材料として想定しているためだと説明する。

また、大型ヒートベッドを高温で運用した場合、一般家庭の電力環境への負荷が大きくなることも考慮したという。

レーザー加工には非対応

A2Lはブレードカッティング機能に対応する一方、レーザーモジュールには対応しない。

これはオープンフレーム構造による安全面への配慮によるものだ。

また、H2シリーズのレーザーモデルで採用されているBirdsEyeカメラも搭載していないため、自動位置合わせ機能「Live Spatial Alignment」は利用できない。

ただし、スマートフォンアプリ「Bambu Handy」を利用した写真ベースの位置合わせ機能には対応する。

なお、「Print-then-Cut」機能については現在開発中で、将来的なOTAアップデートで提供される予定としている。

469ドルで世界同時発売

A2Lは2026年6月1日より世界各国で販売を開始した。

販売価格は469ドル(1ドル145円換算で約6万8,000円)、379ユーロ(1ユーロ165円換算で約6万2,500円)である。

大型造形と多機能化を両立しながら価格を抑えたA2Lは、個人クリエイターやホビーユーザー市場で注目を集めそうだ。

編集部コメント

Bambu Labは近年、使いやすさと高速造形を武器に急速にシェアを拡大してきた。今回のA2Lは、単なる大型版Aシリーズではなく、「1台で複数の工作ツールを兼ねる」という方向性を明確に打ち出した製品といえる。

特に注目したいのは、造形サイズの拡大よりもモジュール交換による用途拡張である。3Dプリンター市場ではレーザー加工機やカッティングマシンとの融合が進みつつあり、A2Lもその流れに沿った製品と見ることができる。

一方で、デュアルノズルやレーザー機能をあえて搭載しなかった点からは、機能の詰め込みよりも価格と使いやすさを重視した製品戦略がうかがえる。今後、OTAアップデートで予定されるPrint-then-Cut機能の完成度にも注目したい。

用語解説

■ AMS(Automatic Material System)
3Dプリンターに複数のフィラメントを自動供給する材料管理システム。材料の自動切り替えや多色造形を実現する。
■ PMSMクローズドループサーボエクストルーダー
Permanent Magnet Synchronous Motor(永久磁石同期モーター)を用いた押出機構。押出量をリアルタイムで監視しながら制御することで、高精度かつ安定したフィラメント供給を実現する。
■ ゴースティング(Ghosting)
印刷時の振動によって、造形物の表面に元の形状が薄く繰り返し現れる現象。リンギングとも関連する品質課題の一つである。
■ OTAアップデート
Over The Airの略。インターネット経由で機器のファームウェアやソフトウェアを更新する仕組み。

Bambu Labの関連記事

今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中からピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

関連記事を探す

[yarpp template="yarpp-template-thumbnail"]

記事検索

2035の記事から探す

最新記事

編集部のおススメ記事