データセンター向けのAMは3Dプリンティング市場の大きな成長機会を提供する

Additive Manufacruting Reasearch(アメリカ合衆国 ニューヨーク、以下、AM Research)は、エネルギー分野に特化した3Dプリンティングのコンソーシアムであるenergize.amと共同で、新たな市場調査レポート「データセンター向けAM:3Dプリンティング市場の機会」を発表した。本レポートは、AM Research独自の市場データを基に、世界的なデータセンター建設ブームがAM業界にとってどのような市場機会をもたらすのかを分析している。(上部画像はAM Researchのレポートより。出典:AM Research)
データセンター向けのAMレポートの概要
本レポートによれば、2033年までに2,000台の粉末床溶融結合法(PBF)方式の3Dプリンタが、冷却プレートやその他のデータセンター部品の製造に必要となる可能性がある。この試算は比較的保守的な普及率を前提としており、他のAMプロセスとの併用も考慮されている。それでも、これは現在の年間AM市場全体の販売台数を超える規模となる。
本レポートは、データセンターインフラ市場に焦点を当て、特にハイパースケールデータセンター向けの熱管理ソリューションに重点を置いている。ハイパースケールデータセンターとは、5,000台以上のサーバーを備えた施設を指し、AIアプリケーションの成長を支える最先端の半導体を最も多く消費する。この分野の成長に伴い、冷却システムを含む設備の需要も比例して増加することが見込まれる。
AMは、次世代の熱管理ハードウェアの供給を確保する上で、地政学的リスクや規制によるサプライチェーンの不確実性を解消する可能性を秘めている。
データセンター向けのAMレポートの構成
本レポートは、AM Researchの独自の市場データとモデルを基に、業界関係者への直接インタビューや徹底的な調査によって構築されている。また、書面によるレポートに加え、エクセル形式の市場データファイルが付属している。
本レポートでは、以下の企業・組織が取り上げられている(一部):
- アルファ・ラバル(Alfa Laval)
- アセテック(Asetek)
- コンフラックス・テクノロジー(Conflux Technology)
- ディープシーク(DeepSeek)
- Fabric8Labs
- シュナイダー・エレクトリック(Schneider Electric)
- ヴァーティブ(Vertiv)
- OpenAI
- Amazon
- GE Vernova
データセンター向けのAMレポートの対象読者
AM Researchのレポートは、3Dプリンティング製品や市場戦略を計画するシニアエグゼクティブ、および3Dプリンティング関連企業への投資を検討する投資家向けに設計されている。また、AM Researchでは、カスタマイズされたコンサルティングやデューデリジェンス分析の提供も行っている。
AM Researchについて
AM Research(旧SmarTech Analysis)は、2013年より3Dプリンティング/AM分野における主要な収益機会に関するレポートを発行してきた。業界における主要なアナリスト企業として、AM Researchの分析とデータは、3Dプリンティング業界の戦略開発に活用されており、業界大手企業にも採用・発表されている。
また、3Dプリンティングのビジネスに特化した最も影響力のあるカンファレンス「Additive Manufacturing Strategies」も主催している。今年、開催された「Additive Manufacturing Strategies 2025」に関してはシェアラボ独自で参加者にインタビューしているので、併せてご覧いただきたい。
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