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日本電子、高品質で再現性の高い電子ビーム金属3Dプリンター「JAM-5200EBM」販売開始

「ちょっと宇宙まで」
そんな風に宇宙旅行へ気軽に行ける時代が、もうそこまで来ている。宇宙旅行が簡単に行けない理由の一つは、高額なロケットでの移動費だ。その移動費を少しでも安くするために、3Dプリンター技術の活用が進んでいることはご存じだろうか。
(写真は日本電子公式サイトより引用)

今回、精密機器・理科学機器メーカー日本電子(JEOL)が新たに発表した電子ビーム金属3Dプリンター「JAM-5200EBM」は、ロケットの開発・製造コスト、そしてロケットを動かすために必要な燃料費までを大幅に削減する可能性を秘めている。そんな夢が広がる金属3Dプリンターをご紹介する。

高い品質レベルに応えるため誕生した、電子ビーム金属3Dプリンター「JAM-5200EBM」

JAM-5200EBM
電子ビーム金属3Dプリンター「JAM-5200EBM」(日本電子公式サイトより引用)

開発企業の日本電子(JEOL)は、1949年に電子顕微鏡の開発会社として設立。電子顕微鏡をはじめ、分析機器、医用機器、産業用機器など事業を展開。世界最高クラス性能の電子顕微鏡や半導体製造用電子ビーム描画装置の開発力を強みに、グローバルへ展開している企業である。

その日本電子(JEOL)が培ってきた開発技術を応用し、高出力、高速で、高密度造形ができる電子ビーム金属3Dプリンターを開発。航空宇宙、産業用動力、医療など、高いレベルの品質が求められる分野での展開を視野に、長寿命カソード(電子を発生させる陰極)とヘリウムフリーによるコスト削減、高品質で再現性の高い造形物の量産化を実現した。

「JAM-5200EBM」の特徴

同製品が提供できるサービスは、高品質かつ再現性の高い造形や複数部品の一体化、軽量化による燃料消費の削減や出力の向上、コスト削減や開発期間の短縮などだ。そのサービス提供の背景にある4つの主な技術力をご紹介する。

1.世界最長クラスのカソード寿命1,500時間以上により、生産性が向上

カソード交換によるダウンタイムを大幅に短縮することで、生産性の向上が可能となった。長寿命の秘密は、電子ビームを利用する装置製造で培われたJEOL独自の真空技術にあるとのこと。

2.ヘリウムフリーにより、低コストで造形クオリティを最後まで維持

独自の粉末飛散防止機構”e-Shield”により粉末飛散現象を回避。それにより、ヘリウムガスが不要となり低コストかつクリーンな空間で造形できるだけでなく、カソード表面もダメージを受けにくくなるため安定した電子ビームを照射し続けることができる。それにより、造形クオリティを最後まで維持することが可能。

3.電子ビーム自動調節機能により、高品質かつ再現性の高い造形を実現

日本電子(JEOL)が電子顕微鏡や半導体製造用電子ビーム描画装置で培った技術により、ビーム照射位置が変わっても電子ビームのフォーカスや形状の歪みを自動補正し、高品質かつ再現性の高い造形を実現。

4.遠隔監視システムにより、造形および装置状況の確認が可能

遠隔監視システム

遠隔監視システムで造形状況や装置状況を24時間365日、確認することが可能だ。
(写真はすべて日本電子(JEOL)公式サイトより引用)

部品を一度に複数造形したり、切削加工がほとんどないため材料を無駄にしない。さらに、金属粉を再利用するなどエコでサステナブルな環境対策としても注目されている。また、サービス体制も充実しており、30か国以上に直営のサービス拠点を構え、130か国以上のアフターサポートが可能とのこと。

本体価格は1億9,800万円(税込)。販売予定台数は年間10台を予定している。
”ちょっと宇宙まで”を現実に。世界を電子ビームで変えていく日本電子(JEOL)の挑戦に期待したい。

電子ビーム金属3Dプリンター「JAM-5200EBM」紹介動画(日本電子公式YouTubeより引用)

製品情報

項目JAM-5200EBM
製造方法パウダーベッド方式
造形範囲最大φ250 mm×400 mm(H)
電子ビーム出力最大6 kW
カソード寿命1,500 h以上
チャンバー圧力(溶融時)0.01 Pa以下
導入ガス(帯電防止)不要
造形物冷却機構あり
粉末飛散防止機構e-Shield
ビーム補正自動調整(フォーカス・非点・位置歪)
JAM-5200EBMのスペック
JAM-5200EBM 外形寸法
外形寸法/単位㎜(日本電子公式サイトより引用)

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シェアラボ編集部 | + posts

3Dプリンターの繊細で創造性豊かなところに惹かれます。そんな3Dプリンターの可能性や魅力を少しでも多くの人に伝えられるような執筆を心がけています。

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