米Beehive Industries、約44億円で空軍契約獲得 3Dプリント製ジェットエンジン量産へ前進

2026年4月28日
出典:beehive industries
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米国の航空宇宙企業Beehive Industriesは、米空軍から2,970万ドル(1ドル150円換算で約44億5,000万円)の契約を獲得したと発表した。3Dプリントによるジェットエンジンの開発を加速し、無人機向けの量産体制構築を目指す。今回の契約は、低コストかつ大量配備を前提とした軍用エンジンの開発・実用化に向けた重要なステップと位置づけられている。

Frenzy 8エンジンの実運用化へ

本契約の中心となるのは、推力200ポンド級の「Frenzy 8」エンジンである。機体への統合、飛行試験、認証を進め、実運用への移行を目指す。さらに、推力100ポンド級の「Frenzy 6」エンジンについても開発が進められる。試験用初号機(FETT)の製造を皮切りに、追加試験や飛行実証に発展する可能性がある。これらのエンジンは、いわゆるスウォーム型ドローン(多数同時運用される無人機)や使い捨て兵器向けに設計されており、従来の高価な航空機エンジンとは異なる思想で開発されている。

米空軍の「大量・低コスト」戦略

本プロジェクトは、Air Force Life Cycle Management Center主導のもと、SOSSEC Consortiumを通じて進められている。背景にあるのは、米国防総省が進める「FAMM(低コスト大量兵器群)」構想である。これは、従来の高価格・少量配備の兵器体系から、ドローンに代表されるような低コストで大量に展開可能な装備への転換を狙うものだ。その中核技術の一つが「SET(小型使い捨てタービン)」であり、Beehiveのエンジンはこのコンセプトに適合する設計となっている。

3Dプリントでサプライチェーンを圧縮

Beehiveは、積層造形(アディティブマニュファクチャリング)を活用し、ジェットエンジンの製造工程を大幅に簡素化している。従来のエンジン製造では多数の部品と複雑なサプライチェーンが必要だったが、3Dプリントにより部品点数の削減と製造リードタイムの短縮が可能となり、「低コスト・短納期・量産性」という軍需の要件に対応する。同社はすでに、Frenzy 8エンジンについて地上試験および高高度試験を短期間で完了。さらに「Pathfinder」プログラムを通じて量産性の検証も進めており、2026年中の量産開始を視野に入れている。

出典:beehive industries
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編集部コメント

今回のニュースは、「3Dプリンター=試作」というイメージが完全に過去のものになりつつあることを象徴している。特に注目すべきは、ジェットエンジンという極めて高信頼性が求められる分野で、3Dプリントが“量産前提”で採用されている点である。しかも用途は「使い捨て」であり、従来の航空機産業とはまったく異なるコスト構造が求められている。

日本の製造業にとっても示唆は大きい。
・高付加価値製品だけでなく「大量・低コスト」領域でもAMが使われ始めている
・平時は専門のマザー工場で生産するが戦時に自動車関連産業の製造ラインを転用するなど、サプライチェーンそのものを再設計できる可能性がある。

防衛分野の動きではあるが、量産×AMという流れは今後、民生品分野にも波及していくと考えられるし、官民一体となったAM投資の新しい形を生み出す可能性もある。

用語解説

■ アディティブマニュファクチャリング(積層造形)
3Dデータをもとに材料を積み重ねて形状を作る製造技術。従来の切削加工と異なり、複雑形状を一体で製造できるため、部品点数削減や軽量化、リードタイム短縮に寄与する。
■ スウォーム型ドローン
複数の小型無人機を同時に運用し、群れとして行動させるシステム。単体ではなく数で機能を補うため、低コスト化と量産性が重要となる。
■ FAMM(低コスト大量兵器群)
米国防総省が推進する構想で、従来の高価な兵器を少量配備する体制から、低コストで大量に配備できる装備へと転換することを目的とする。

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