中国3Dプリンターメーカーが自動車、航空宇宙業界向けに特別設計された業務用3Dプリンターを発売
中国の3DプリンターメーカーEplus3D社は、最新のPBF(金属粉末床溶融)方式の3Dプリンター「EP-M450H」の発売を発表した。大型で高性能のパーツ向けに特別に設計された機能性について解説する。
目次
中国3Dプリンターメーカー Eplus3D社とは
2014年に設立されたEplus3D社は、PBF方式やSLA方式などの技術で動作する業務用3Dプリンター開発に特化した中国の企業だ。同社の中核となる技術チームは、航空宇宙、自動車、製造工具、ヘルスケア、消費財などの分野で、25年以上のアディティブマニュファクチャリングの経験を有している。
現在、中国の北京と杭州の2か所に施設を持ち、売上の20%以上を科学研究に投資している。世界40カ国以上に3Dプリンターを輸出しているEplus3D社は、多数の発明特許、実用新案特許、ソフトウェア著作権、外観特許を保有している。
大型×高性能パーツ向けに特別設計された「EP-M450H」
Eplus3D社の新機種EP-M450Hは、航空宇宙、防衛、自動車などの分野における大型で高性能なパーツ向けに特別に設計された。
EP-M450Hは、造形容積が455 x 455 x 1100mmと大型で、Eplus3D社の製品群の中で最も大きなものとなっている。200リットル以上の造形容積を持つEP-M450Hは、高さ1メートル以上のパーツの3Dプリントが可能だ。
標準では500Wのファイバーレーザーが搭載されているが、デュアルレーザー構成を選択することで、印刷効率を70%向上させられる。最大8m/sのスキャン速度を持つEP-M450Hは、最大造形速度は55cm³/h。さらに、階層間の時間短縮を可能にする双方向パウダー再塗布システムも搭載している。
EP-M450Hは、最新の3Dプリンターとして部品の品質にも大きな重点が置かれている。同社によると、99.9%を超える部品密度と5%未満の機械的特性のばらつきを達成したとのこと。EP-M450Hは、最適化されたガスフロー設計により、煙や飛沫を効率的に除去し、均一で安定した3Dプリントを実現するとしている。
また、ソフトウェア面では、モデルの異なる部分に異なるプロセスパラメータを適用可能だ。例えば、パーツを上面と下面、コアエリアとスモールエリアに分割し、それぞれに個別の設定を適応できる。また、Eplus3D社が独自に開発したEP-Hatch処理ソフトウェアにより、ユーザーは最適化されたスキャン情報を活用して印刷時間を短縮できる。
オープンな材料プラットフォームを誇るEP-M450Hは、すでにさまざまな金属粉への適合が確認されている。チタン合金、ステンレス鋼、マルエージング鋼、アルミニウム合金、ニッケル合金、コバルトクロム、銅合金など、さまざまな金属粉を3Dプリントの素材として使用できる。
EP-M450Hの基本スペック
項目名 | スペック内容 |
---|---|
機器本体の寸法 | 8250×3850×4750mm |
スキャン速度 | 8m/s |
対応素材 | チタン合金、ステンレス鋼、マルエージング鋼、アルミニウム合金、ニッケル合金、コバルトクロム、銅合金など |
スポットサイズ | 90〜130ミクロン |
光学システム | ファイバーレーザー 500W/1000W(シングルレーザー。デュアルレーザーはオプション) |
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