3Dプリンターや大型加工機の時間貸しサービスを開始 – ロボコム・アンド・エフエイコム
ロボットを活用した自動化システムを提供するロボコム・アンド・エフエイコム株式会社(以下、R&F社)が、福島県南相馬市にある自社工場で、産業用の3Dプリンターや大型加工機の時間貸しサービスを開始した。1時間単位で個人法人を問わず機器のレンタルが可能。設備の貸し出しに加え、加工代行サービスも行う。
同社はこれまで3Dプリント受託サービスも行ってきたが、設備レンタルという新たなサービス展開が始まることになる。(画像出典:Team Cross FAプレスリリース)
製造業のニーズに応える設備レンタルサービス
大量生産から多品種少量生産へニーズが移る中、製造現場である工場では、加工機が不足したり、保有している設備では対応できなかったりするケースが増加しているという。
今回のR&F社の設備レンタルサービスは、そのようなニーズに応えるため開始される。設備ごとに1時間あたりの料金単価が設定されており、どれも1時間から利用可能だ。設備の使用にあたって必要となる工具類に関しては、設備の標準工具とR&F社が常備している工具を無料で借りられる。また、材料の搬入などの準備に関しては、補助人員によるサポートや、CAMの作成代行が有料オプションで用意してされている。
さまざまな加工機や3Dプリンターが気軽に借りられる
工作機械分野では、研削盤や旋盤、ワイヤー放電加工機、大型の5軸制御マシニングセンタなどがレンタル設備として用意されている。
3Dプリンターは、金属3Dプリンターが2種、樹脂用3Dプリンターが1種あり、素材にあわせた多様な造形が可能だ。ラインナップにある2種の金属3Dプリンターは、DMG森精機、松浦機械製作所製。どちらも金属粉末にレーザービームを照射し、溶かしながら積層していくSLM造形方式となる。
樹脂用3DプリンターはHP社の「HP Jet Fusion 5200」で、独自の技術「Multi Jet Fusion(MJF)」が搭載された3Dプリンターだ。樹脂粉末に熱を加えて融合し、造形していくもので、粉末床溶融結合法(PBF、通称パウダーベッド方式)と比べると、滑らかな仕上がりとなる。
時間貸しサービスは、各企業の設備不足を補えるだけでなく、実際に自身の手で作業をする点にもメリットがある。たとえば、大型の設備や最新の設備の導入を検討している場合、その使い勝手や作業効率、生産性をはかるテストプレイとして時間貸しサービスを利用するという方法も考えられるだろう。
産業用の加工機や3Dプリンターの時間貸しサービスは、業界としては非常に珍しいものだ。今後の展開にも注目していきたい。
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ShareLabでは、以前、国内最大級の工作機械の展示会「JIMTOF2022」を特集した記事において、参加企業の1つとしてR&F社をピックアップして同社の取組みを紹介した。そちらの内容についても、以下のリンクよりぜひご覧いただきたい。
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