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Fusion 360の中の人に聞く!3DCADを使っていない製造業で働く人のための3Dデータ入門 

一口に3Dデータといっても、ゲームの3DCG、物づくり用のCADデータ、シミュレーションで使われるメッシュデータなど様々な種類がある。製造業の中でも3Dデータに触れる機会が増えてきたが、自分が普段触れていない種類のものも含めて、世の中にどんな3Dデータがあるかを簡単に理解しておきたい方もいることだろう。特に3DCADを業務で利用していない門外漢を自認する方のために、3Dデータの概要を有識者に聞いてみた。

今回はオートデスクが提供している高機能3DCADソフト「Fusion 360(フュージョン スリーシックスティ)」のエバンジェリストも務めた経験を持つFusion 360 営業マネジャー藤村 祐爾 氏にお時間をいただき「全然知らない人向け」に3Dデータの基礎知識に関して教えてもらった。試しに筆者の方で、個人向けの無料版をダウンロードして初めて実際に触っているが、GPUを搭載しない普通の事務用ノートパソコン(LENOVO X13)でも問題なく稼働した。やはり実際に触ると少しわかった気になる。そんな感動も含めてお伝えしたい。(語り手: オートデスク 株式会社 Fusion 360 営業マネジャー藤村 祐爾 氏 、聞き手 ShareLab編集部)

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3Dデータは4つの種類に大別できる

ShareLab編集部:さまざまな3Dデータ形式をシームレスに使えるFusion 360を扱っている藤村さんに、3Dデータの入門編をお伺いしていきます。いままで勝手に「フュージョン サンロクマル」と呼ぶものだと思っていたんですが、「フュージョンスリーシックスティ」と英語読みするのを知りました。そんな初心者が相手で恐縮ですが、まずはこんな種類の3Dデータがこのような目的でつかわれますよ、という3Dデータのおおまかな種類をお話いただけますか?

3Dモデルデータの代表的な4つのモデル

藤村氏:承知しました。3Dデータを作るためのソフトは大きく分けると3DCG系と3DCAD系に分かれるんですが、データの特徴から大きく分類すると「ソリッド」、「サーフェス」、「ポリゴン(フォーム)」、「メッシュ」という4つに分類できます。それぞれのデータは特長があり、同じ3Dデータでも違う専用ソフトで作る場合もあるのですが、最近はFusion 360のように複数の分類の3Dデータを統合的に扱うソフトウェアも登場してきました。

Fusion 360 は大前提で言えば、機械設計者向けの3DCADソフトになります。導入に数百万円するソフトウェアではなく、個人利用であれば無料で利用できます。youtubeでも学習用の動画をご用意していますので、実際に触りながら知っていただくのも便利かと思います。というわけで、これからそれぞれの3Dデータについて簡単に説明していきますね。

製造業必須!寸法を数値で保持するソリッドモデル

藤村氏:では、ソリッドモデルから見ていきましょう。ソリッドモデルの最大の特徴は、形状だけではなく、寸法や厚みの情報を持った三次元構造になっています。簡単に言うと、立体的な図面ですね。通常は寸法定義をしながらモデリングします。

Fusion 360をインストールすると利用できるサンプルデータ

ShareLab編集部 : モノづくりの際に、よく想定されるデータという感じですね。

藤村氏:そうです。二次元のCADと違って、立体的になっているので、部品のイメージを共有しやすいと思います。寸法定義をしながらモデリングすることは、設計者においてマストです。物を作るわけですから、パーツがかみ合わないと困ります。3Dプリントして、実際に組み上がらなかったというのは困りますからね。フィードの中で、アセンブリ(部品やねじなどを組み立てる機能)をパラメトリックに組んで、関連付けます。

ShareLab編集部 :内部構造も透けて見えるのは、便利そうです。

断面図
自由な場所、確度で断面を確認できる
透過させることも

藤村氏:断面図もいろいろな切片で確認できますよ。

一方、CGというのは、あくまで見た目上の位置や大きさで合わせています。ハリウッド映画やアニメーションで見るCGを製作する3DCGソフトウェアのMayaや3dsMaxなどには、「30ミリの穴に29ミリの棒が入って……」といった寸法を忠実に考慮するパラメトリックな概念はあまり重要視されません。髪の毛や服に厚みが定義されていなくても、色彩や質感が表現できれば目的が達成できるんですね。服のしわや筋肉などの曲線や寸法が定かでない形状こそ重要となってきます。

しかし、製造業では実際に製造できるものを設計する必要がありますので、寸法や公差が重要視されます。公差も含めて管理するためには、形状に寸法情報が入っているソリッドモデルでなくてはいけません。競合他社含めて、ほぼ全ての3D設計ソフトは、基本的にこの概念でできています。

ShareLab編集部:例えば、昔のゲームのCGだとポリゴンが重なっても動いてしまいますよね。ソリッドの3Dデータでも、設計したものが互いに干渉する時は動かないのでしょうか?

干渉チェックなども可能

藤村氏:Fusion 360の場合、3Dモデルで複数の部品を管理し、稼働したさいにお互いに干渉した所で止まる、という接触判定ができます。現実世界ではすり抜けることができず止まるように、同じ現象が3DCADソフト上で確認できるということです。

最近の3DCG用ソフトでも干渉チェックもできますが、目的とする表現が違うと言えばわかりやすいでしょうか。例えば、人が腕を曲げた時に筋肉や皮膚が変形しますが、めりこんだりはしませんよね。干渉をCGソフトが検知できないと、腕を曲げた時にめり込んでしまい、リアリティがなくなってしまいます。

この点、ソリッドデータの場合、プラスチックや金属など硬いものを作ることが多いので、干渉した時に変形するということは、あまり想定していません。3DCGが干渉した時に変形しやすいのは、全てが頂点でモデリングされていて、空間上の点を動かすことで変形しやすいのです。ソリッドモデルは、3DCGデータとはデータ保持から仕様が異なるので、当たった時に変形させるのは難しいこともあり、めり込む表現はポリゴンモデルで処理するほうが得策です。

製造においては、図面も重要視されます。何ミリ、何センチなどの寸法が入ることで、3Dモデルを図面に落とし込んだ時に、データが全部情報として入り、ピン角や角度の数値が座標で出るので、図面が非常に連動しやすくなります。

「厚み」を持たないサーフェスモデルはパーツ分割に便利

藤村氏:サーフェスモデルが何かという前に、パラメトリックモデリングについて簡単にまとめます。座標に50ミリ、100ミリと寸法を入れ、四角を書き、スケッチを押し出す。これが、パラメトリック・モデリング(数値に基づく設計)です。例えば、50ミリで設定したソリッドモデルを切ると、断面に中身が全部詰まっています。

サンプルデータからでもサーフェイスを簡単に抽出できる

サーフェスモデルは、厚みを持たない線で物体を表現する概念です。押し出した時に、同じ50ミリでも、中身が詰まっていない板状になります。現実世界では、板も三次元ですよね。どんなに薄い金箔でも0.0001ミリとか厚みはあります。サーフェスモデルは、厚みが0ミリで、現実世界には存在できません。

そのため、サーフェスモデルを使って設計したものを分割すると、分割したラインは厚みを持たない「0ミリ」になります。もし、包丁を使って厚みがある状態で切ったら、0.0何㎜もしくは㎛というレベルでギャップが空くと思いますが、それをサーフェスモデルでは極力なくしています。

ShareLab編集部 : モノづくりのための3DCADで寸法を持たないサーフェイスは何の目的で利用されるんですか?

藤村氏:ものの形状のことをプロファイルと呼ぶのですが、線や面といったサーフェイスで囲まれた閉じた立体がソリッドになるんです。閉じていないという事は壊れていることになってしまいます。ソリッドを構成する要素でもあるのですが、同時に計算式で表現されるような微妙な曲面や感覚的にデザインされた形状を、3Dモデルとして表現するために使います。

ソリッドモデルで作ることが難しい形状をサーフェイスモデルなどで製図。ロフトは部品と部品をつなぐ便利機能で曲面も設計可能。

長らくサーフェスモデルは、自由曲面を作るのに、非常に優れていると言われてきました。自動車などは曲面で構成されているものが多く、外装などをサーフェスのCADツールで作ることが多かったです。

ShareLab編集部:デザイン時のポンチ絵を図面に落とし込む際に使えそうですね。

デザイン絵を形にしやすいフォームモデル(ポリゴンモデル)

藤村氏:そういう意味では、より適しているのがフォームモデル(ポリゴンモデル)です。フォームモデルは、基本的に全て、三角形のポリゴンの頂点でコントロールされています。頂点と頂点を結ぶことで形状を構築していて、頂点をいじりながら、モデリングしたり、面をいじりながら直接モデリング・編集することが多いです。ポリゴンの表示を変えることで、スムーズな滑らかに表示したり、カクカクに表示したりできます。滑らかな状態も、基本的にはカクカクした頂点が、どれぐらい細かく分割されているかだと思ってください。

フォームモデルはこの三角形の頂点を引っ張ると、形状を粘土をこねるように変化させることができます。

サンプルデータをフォームモデルで編集している様子

例えばですが、このフォームモデルをサーフェスやソリッドで作ろうとすると、熟練の人でも相当大変です。直線があれば参照できますが、この例の場合には直線が全くありません。また同じ形をカーブを引いて作るのであれば、サーフェスモデルも得意ですが、このポリゴンモデルは、カーブを全く引かずに作っています。

ShareLab編集部:粘土をこねて形を作るようなイメージなんですね。かなり作り方に違いがあって、それぞれの得手不得手がありそうです。その他フォームモデルが得意としている領域はありますか?

藤村氏:動物や有機的なものを作るのは、こちらの方が楽です。直線が多いものはソリッドモデルで、曲線や複雑な形状はフォームモデルで形を整えてから寸法を出していくようなイメージです。

3Dスキャンやシミュレーションで活躍するメッシュモデル

ShareLab編集部: メッシュデータに関しても教えてください。

藤村氏:メッシュデータは表面の形状を等高線のような網目模様で表現しています。メッシュデータの例を挙げると3Dスキャンしたデータがあげられます。頂点をいじったりできますが、この細かさのメッシュデータを編集してください、というのは無理です。目の前の1万人を1ミリも狂わず綺麗に整列させてください、というようなものです。1万人より5人を綺麗に並べる方が簡単ですよね。このようにコントロールが難しく、この状態からパラメトリックに編集するのは困難です。唯一できるとすれば、一部分を盛り上げたりするぐらいです。

メッシュデータの修正が得意なのは、ZBrush(ジーブラシ)などの3DCG制作のソフトです。鉛筆みたいなもので、ちょっとなぞると、そこがポコって膨らんだりして、粘土を彫刻するイメージで編集できます。一見、フォームモデリングにも似ていますね。ちょっとなぞって、筋肉や洋服のシワを作ったりします。シワは、パラメトリックに寸法定義ができないので、動物など有機的な形状を彫刻感覚でモデリングするツールです。

機械設計の領域でもメッシュデータを利用することはあります。設計した3DCADをデザイナーに渡して、Z-Brushなどのソフトでテクスチャを貼りこむなど色彩や質感を指定する際にもかかわりがあることもあるでしょう。より本格的なかかわりとしては、様々なシミュレーションに利用する場合です。力のかかり具合や温度変化などを計算で求め、色などで表現する際にメッシュデータが活用されます。

サンプルデータの青い面を選択しメッシュ化

ShareLab編集部: ソリッドからメッシュへの変換や、メッシュからソリッドへの変換は簡単ですか?

藤村氏:Fusion 360ではソリッドデータをメッシュに変換することもできますし、逆に3DスキャンしたデータやSTLファイルをソリッドモデルに変換できます。3Dプリンターで造形する用に配布されているSTLデータをソリッドに変換して、サイズや形状を変更できるようになるわけです。これは結構画期的な機能だと思います。今まではSTLデータをソリッドに戻すことはできるソフトは限られていました。

また車のスキャンデータを読み込んできて、簡単に穴を埋めたりとか、3Dスキャンデータをソリッド化することが、Fusion 360では可能です。5ミリの穴を開けるとか、パラメトリックな調整が、3Dソリッド化すればできます。例えば、ZBrush(ジーブラシ)で作ったドラゴンをFusion 360でソリッド化して、 5ミリの穴を開けて、台座にネジで止めるなどが可能です。

専用ソフトの高機能化と汎用ソフトのシームレス化の流れ

藤村氏:もう1回整理します。工業デザイナーの人は頭の中で「どういう花瓶にしようかな?」など、印象やイメージ、見た目の美しさを考えています。一方でエンジニアの人は「こういう形にしたいなら、ここは30ミリのRで、ここは5ミリの長さで」と寸法を考えた設計を行っていきます。つまり、サーフェスモデルやソリッドモデルを使って、パラメトリックに作っていくということが行われます。

ShareLab編集部 :こうやってお話を伺っていくと、Fusion 360 はなんでもできそうな気がしてしまいますね。

藤村氏:そう感じていただくのは、ありがたいお話ですが、それは違います。Fusion 360は機械設計者が行う必要のある作業であれば、大抵のことはできるようになってきましたが、専門特化したソフトウェアに任せた方がよい作業はあります。ZBrush(ジーブラシ)などのCG系ソフトとソリッドモデル系のソフトとは、元々持ってるカーネル(3D CADソフトウェアの核となるプログラム)が全く違います。車でいうと、ディーゼル、ガソリンのエンジンやEVみたいに、プラットフォームが違うんです。すべてのニーズを満たす車なんて作れないですよね。

Fusion 360の中でも頑張って開発すれば、似たようなことはできるかもしれません。ですが、やりたいことに合ったソフトを選ぶほうが何倍も効率的です。自動車のような複雑な曲面構成を作るなら、サーフェスモデルが最高のツールです。サーフェスモデル専用のツールもありまして、弊社で言うと、「 Alias(エイリアス)」というツールがあります。 自動車の意匠では、ほぼエイリアスが使われてます。ただし、エイリアスはサーフェスモデリングのツールなので、ソリッドデータを持てません。ただ、同じことをFusion 360でも可能かというと、倍以上の時間がかかります。

他方、エイリアスで、Fusion 360みたいなソリッドモデリングができるか?となると近いものは形状としてできても、サーフェスモデルなのでアセンブリできません。例えば、10ミリの穴と20ミリが、この位置で重なって、何度(°)で動きます、という定義のパラメーターを持てないので、干渉チェックとかが非常にしづらいですよね。

一長一短なソフトが今まで多かったのですが、Fusion 360は1本で全部のことを6割、7割、8割ぐらいまで、できるようにしようというのが私たちのゴールです。柔軟性が高く、 提供力が高いモデリングになっていますが、悪く言えば器用貧乏なので、例えば透明から茶色のグラデーション、などの高度な表現は専門のソフトと連携して作業してください。

さかのぼって変更できるのが、パラメトリックモデリングの良いところ

ShareLab編集部なるほど。製品の外見的な魅力を向上させようとするデザイナーと製造可能な図面に落とし込みを行おうとする設計者のような立場の違いがある場合は、それぞれ得意なソフトウェアで仕事をした方がよいということですよね。Fusion 360はある程度その懸け橋になるソフトウェアを目指していると思うのですが、Fusion 360以前に、制作環境がそれぞれの専用ソフトに分かれている場合、フォームモデルで作ったものをソリッドモデルにしなきゃいけないとして、デザイナーから設計に渡す時は該当部品を分割して渡すのですか?それとも、設計者が3Dデータを作り直すのですか?

藤村氏:通常はほぼ作り直しです。デザイナーはエンジニアではないので、工法に明るくありません。金型の抜き勾配など実際の工法を加味した形状に配慮できないことが多いんですね。また、デザイナーは感覚的にモデリングしていく人が非常に多く、後で設計変更が起きた時に対応しやすいようには作ってくれないです。また外見に影響しない部分の作りこみがされない場合も多いはずです。そこを機械設計者が製造方法を意識して、製造できる、保守しやすい、安全管理上問題が起こりにくいと言った観点で仕上げていくと思います。

ShareLab編集部 英語だと同じdesignerでも大きく役割が違うんですね。

藤村氏: そうなんです。機械設計者としては、デザイン変更や、製造する上で必要な仕様変更を3Dモデルに反映していく必要があります。Fusion 360にはヒストリー管理機能がついているのですが、この機能は設計変更に対応しやすくするものです。例えば、寸法を変えたい時に、さかのぼって形を変えたり、寸法を数字で指定して変更できるのが、パラメトリックモデリングの良いところです。デザイナーの方が使うサーフェスモデラーとかフォームモデラーは、それができません。戻って形状を直せないというのは設計者にとっては、苦痛です。絶対、設計変更は起きますから。何度も同じ作業を繰り返すことなく、いかに早く設計変更を行えるかは機械設計の現場で非常に重要なことです。

各データの業界分布(特性を活かして使い分ける)

ShareLab編集部使っている3Dソフトウェアや3Dモデルデータの形式で求められる内容も大きく違うんですね。

藤村氏:そうなんです。データによって得意、不得意がありますので、利用用途に応じて使い分けていくんです。ゲームとフィギュアは似ているようで、厳密にいうと、ちょっと違います。ゲームは、できるだけ少ないデータ量で、リアルっぽく見せるのが大切です。データ量が少なければ少ないほど、リアルタイムの処理が軽くて良いです。

一方でフィギュアは、造形がそのままダイレクトに金型や3Dプリンターにされるので、描写が細やかな、密なデータになります。それぞれが、どういう業界で使われるかを絵にした方がわかりやすいとは思います。

彫刻フィギュアの世界がメッシュモデル、CGやゲーム、映画のCGはポリゴンモデル。CG系のMaya、3dsMAXで制作するのが一般的ですね。

ShareLab編集部そういった垣根が低くなっているFusion 360がポリゴンもメッシュもできるのは、それだけターゲットとなっている機械設計者の仕事の幅の広さを示しているんでしょうか?

藤村氏:そう思います。Fusion 360に3Dスキャンしたデータを持ってきて、データに欠損があったら簡単に穴を埋められます。でも、Fusion 360の中では造形はできない。ちょっとしたところを修正するだけです。シワを作ることはできませんが、欠損したシワの一部を直すことはできます。この穴を埋めることの意味は、「穴さえ埋まればソリッド化ができる」ということです。つまり、ソリッド化のための穴埋め機能です。実施設計の際に必要な手直しや最終の仕様変更などを考えると、デザインやシミュレーションまで、他の担当者からバトンを受け取り、バトンを渡すまでに作業内容が広がっているんですよね。

テクスチャや繊細な色の管理などはCG系ソフトの方が優れていますし、高度なシミュレーションは専用ソフトで行うべきです。なんでもはできませんが、複数人で設計データにアクセスできるなどのチーム機能や、フォームデータ、メッシュデータも扱える、STLからのリバースエンジニアリングができるなど、必要なシーンに対応できる機能を備えているのは確かだと思います。

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3DCADを業務で利用していない人には、3DデータにもCG系のデータもあれば製図系のデータがあること、3Dスキャナーでとったデータと3DCADで作ったデータが違うことなどの違いは分かりにくい。「3Dモデルデータって、サーフェイス、ソリッド、メッシュの3種類じゃないの?」と疑問を持たれた方もいるかもしれないが、今回はCG系と製図系の違いも含めて広く俯瞰した上で、4つの種類にわけて3Dモデルデータを解説いただいている。

今回は幅広い形式を一つのソフトウェアで扱うことができるFusion 360の中の人である藤村氏に解説いただいたが、同じ3Dデータでも目的や作り方が大きく異なることが確認できたと思う。

また、ソフトウェアも大きく進化を遂げている。「3Dプリンターで造形するためのSTLデータは、編集できないし、編集可能なソリッドモデルに変換することは難しい」と言われていたが、Fusion 360であれば2021年から変換できるようになったなど、アップデートが著しい。(このアップデートを個人的に見逃しており、大変勉強になった。)

Fusion 360は個人用は無料、法人利用でも年間数万円から使えるライセンス体系ということで、実際に2DCADとの違いや、3DCADでの設計に触れてみたい3D設計初心者でも学習のために気軽に導入できるのは魅力だろう。モノづくりのツールを使いながら、継続的な業界の変化を体感しておくのは重要だ。

今回はFusion 360を実際に触りながら3Dデータに関して解説を有識者に伺ったが、3DCADをはじめとした製造業関係者が押さえておきたいソフトウェアに関してこちらでまとめた。また3DCADに取り込める3Dモデルデータや3Dプリンターで出力できる3Dモデルデータが無料で配布されているサイトもこちらで紹介している。実際に自分でFusion 360などの3DCADソフトを使ってみる際に、のぞいてみると参考になるだろう。

編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

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