反応性金属部品製造のためのバインダージェット3Dプリントアップグレードを発表 ― Desktop Metal社
Desktop Metal社は、同社の金属3Dプリンター「Production System P-1」向けの反応性安全キットを発表した。チタンやアルミニウムなどの反応性金属の高速バインダージェットが可能となり、複雑な部品の製造がさらに進化する。主要製造業者との契約も進行中で、最新の技術が2024年6月のRAPID+TCTで公開される予定である。(上部画像はDesktop Metal社のプレスリリース。出典:Desktop Metal社)
反応性安全キット
反応性安全キットは、「Production System P-1」に組み込むことで、チタンやアルミニウムなどの反応性金属を安全に取り扱うことができるようになる。具体的には、ATEX認証を受けたコンポーネントが含まれており、引火や爆発のリスクを大幅に低減することができるということだ。これにより、企業はこれまで難しかった反応性金属の高速3Dプリントを実現し、製造プロセスの効率化と高品質な部品の生産を同時に達成することが可能になる。
高速バインダージェット技術の応用
高速バインダージェット技術は、従来の製造方法と比較して格段に速い速度で部品をプリントすることができる。特に航空宇宙、自動車、医療機器などの産業で高い需要がある。例えば、複雑なエンジン部品やカスタムメイドの医療用インプラントなど、高精度が求められる部品の製造に適していて、また、材料の無駄を最小限に抑えることができるため、コスト削減にも寄与する。
主要製造業者との契約
Desktop Metal社は、複数の主要製造業者と高容量生産に関する契約を締結している。これにより、新しい反応性安全キットを利用した大規模な生産が実現され、これらの契約には、航空宇宙、自動車、医療機器などの業界リーダーが含まれており、各企業はこの新技術を活用して、製造プロセスの効率化と製品品質の向上を目指している。
また、2024年6月に開催されるRAPID+TCT展示会において、新たな反応性安全キットを搭載した「Production System P-1」を公開する予定である。RAPID+TCT展示会は、3Dプリント業界の主要イベントであり、世界中の専門家や企業が最新技術を紹介する場となっている。Desktop Metal社の展示ブースでは、実際のプリントデモンストレーションや技術説明が行われる予定であり、参加者は新技術の性能を直接確認することができる。
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