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Formlabs社 LCD方式プリンター「Form 4L」ほか新製品発売  

2024年10月16日にFormlabs株式会社は新製品「Form 4L」と関連製品、およびFuseシリーズ新材料などの国内販売を発表した。販売は従来通り、国内正規販売代理店10社を通じて行われる。今年4月に発売したForm 4についてはシェアラボでも発売について報じたが、国内でも好評だ。既に多くのユーザーが導入使用しているとのことで、Form 4Lはその大型機種となる。Formlabs株式会社は実機、造形サンプルの展示と説明をショウルームにて行い、シェアラボも招待を受け訪問取材を行った。(写真:Form4L実機とFormlabs株式会社 チャネルセールスマネージャー 大熊 宏 氏)

Form 4Lの開発背景と特長

新製品Form 4L(生体適合性材料対応Form 4BL)について、Formlabs株式会社 チャネルセールスマネージャー 大熊 宏 氏から詳しく説明をしていただいた。(以下スライド画像はFormlabs株式会社提供)

まず初めに「Form 4は大変好評で、国内発売以来4か月で200台以上販売しました。一方我々からしてもForm4は”前段”で、Form 4Lが”本命”の製品と考えています。」(大熊氏)とのコメントがあり、その後製品の開発背景と特長について以下の説明があった。

開発背景としては、「誰もが簡単にものづくりに参加できる世界の実現を目指す」Formlabsとして、これまでに得てきた多くの要望に沿う形で、新製品となる大容量の超高速3DプリンタForm 4LおよびForm 4BLを開発、発表するとのこと。またSLSやSLA光造形プラットフォームのオープン化、プリンタ周辺機器やアクセサリ、2種類のSLS新材料、ユーザーからの強い要望を受けて実現したPreFormの5種類の新機能、新たな後処理装置も同時にリリースし、これまで以上に規模や用途、複雑性に捉われることなくアイデアを形にできるようにする。

Form 4Lの主な特長を以下にお伝えする。

Form 4L外観と仕様概要
  • 造形原理と基本技術はForm 4と同様
    • 下面からLEDで405nm高出力光をコリメートレンズで均一化、LCD(液晶ディスプレイ)スクリーンを通して照射する LCD Low Force Display™(LFD)を踏襲。
  • 大きなプリントエリアサイズ
    • 353✕196✕350mm、Form 4の約6倍、Form 3L(335✕200✕300mm)の約1.1倍。
  • 超高速
    • 大きなモデルの造形も6時間以内で完了。Fast Modelレジンでは1時間当たり80mm高さを造形。造形容積いっぱいの造形を3時間で完了。
  • 信頼性
    • 造形庫内を撮影するカメラ内蔵だが、Form 4では庫外も撮影されてしまう問題への対策として、庫内のみが映る向きに配置。
    • Form 4と同じ独自技術のレジンミキサー リリーステクスチャ 搭載。
  • 高寸法精度、高表面品質
    • Form 4より小さい46μmピクセルサイズと高度なピクセルスムージングによる滑らかな表面。
    • Form 3Lで大きなモデル表面に生じることがあったシームライン(線模様)のない高品質表面。
  • 長時間連続造形もできる材料自動供給システム
    • Form 4と共通1リットルレジンタンクのほか(造形途中材料切れでもタンク交換、再開可)、Form 4でも使える、5リットルの専用大型レジンタンクとレジンポンピングシステム(材料自動供給)使用可(オプション)。
  • 簡単で速い造形品はがし作業
    • 標準ビルドプラットフォームと、オプションで大きなプラットフォームでも簡単にはがせるクイックリリーステクノロジーのFlex Lを使用可(オプション)。
  • 実績のある多種材料とDeveloper Platformの開放
    • Form 3では使えず、Form 4で使える6種の材料含めた17種類(Form 4BLは30種類)の材料に対応。メーカー材料以外が使えるオープンマテリアルモードオプションライセンスも購入追加可。
    • PreForm設定エディタ(PSE):造形設定の微調整で最高のパフォーマンスを発揮。全プリンタに無料で付属。
    • APIと統合機能:ユーザーが望む方法・ソフトウェアにFormlabs製品を連携させ、プリントが可能に。
Form 4L庫内 レジンタンク外観
Form 3Lでは1個しかできなかったモデルを2個同時造形、時間も約半分の10時間52分
Form 3Lでは生じたシームラインの全く見えない高品質造形モデル

関連新製品 Form Wash L

造形後の樹脂自動洗浄装置の第2世代としてForm 4と同時発売された、Form Washの特長である1.5倍の拡販洗浄機能を持ちながら、Form 4L用大型ビルドプラットフォームに対応。

Form Wash L 概要

Fuse1 オプションと材料追加発売

  • メーカー純正以外の材料が使えるオープンマテリアルモード オプション発売。
  • 既存のNylon 12 Powderより柔軟性があり、壊れにくい Nylon 12 Toughと白色のNylon 12 White 材料発売。
クリック感の良いスナップフィット性やばね性を持つNylon 12 Tough材料造形サンプル
きれいな白色(左)と造形後染色したNylon 12 White材料造形サンプル

ソフトウェア PreForm無料機能追加

  • ホロー化:厚肉部の自動肉抜き機能。
  • ドレインホール作成:ホロー化など閉じた内空間の未硬化樹脂を排出するドレイン穴と、排出後のプラグ作成。
  • モデルゲージ作成:Fuseシリーズで微小モデルを粉末除去作業時に紛失しないための閉じたカゴ形状作成。
  • ラベリング:モデル上に立体テキスト形状作成。
  • テクスチャ:モデル表面にシボやパターンの凹凸形状作成、ライブラリから選択とカスタムテクスチャに対応。
PreFormソフトウエア追加新機能

まとめ

今回のForm 4Lを含む新製品、新材料からは、同社が目指す「3Dプリンターで、誰もが簡単にものづくりができる世界へ」を実現するために他社製品だけでなく、自社既存製品に対しても、ユーザーの要望や不満を正しく把握し、それを出来る限り既存部品や技術を使い、より早く安く提供するFormlabsの一貫した研究開発の姿勢に変わりがないことを感じた。特にForm 4Lは、既存の樹脂3Dプリンターに対するサイズ、スピード、品質、手軽さ、コストなどの課題を高いレベルで解決改善できると見られ、LCD方式VPP(液層光重合法)次世代3Dプリンターの、代表的な製品になるポテンシャルを感じさせる製品であった。

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今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

設計者からAMソフトウエア・装置販売ビジネスに20年以上携わった経験と人脈を基に、AMに関わるみなさんに役立つ情報とつながりをお届けしていきます。

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