造形スピードが分速5㎜の新機種も投入!XYZプリンティングは産業用途でもすごい-株式会社イグアス
2020年2月26日から28日までの3日間にわたって開催される「日本ものづくりワールド」。設計製造ソリューション展(DMS)とあわせて、第2回次世代3Dプリンタ展を見に行こうと思っていた方も多いのではないか。新型コロナ大流行のリスクを重く見て、出展を取りやめた企業も相次いでいるし、来場者も非常に少ない状況である。
だが、そんな中でも出展している企業は気合が入っていて、見応えがある展示が多い。シェアラボ編集部では、泣く泣く次世代3Dプリンタ展への来場を取りやめた方のために、会場での見どころを紹介していく。
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ホビー向け、個人向けの3Dプリンターの雄として見られがちな、XYZプリンティング社製の3Dプリンターだが、その経営母体は新金宝(ニューキンポー)社。台湾系大手EMS(電子機器製造受託)を行っている企業で、PCやスマートフォン、デジタルカメラなどハイテク製品以外にも、工作機械などの製造販売も手掛けている同社は、2018年から産業用3Dプリンターにも力を入れ始めた。そのXYZプリンティング社のマスターディストリビューターを担うのが株式会社イグアスだ。
同社は、IBM製品のディストリビューターとして成長を続けてきたITベンダーであり、2009年から3Dプリンター事業を開始している。2018年度実績では、従業員279名、売上474億円以上の企業規模を誇る。3Dシステムズ社の販社としても活動している同社だが、今回の展示では、全面にXYZプリンティング社を打ち出し、日本市場でのXYZプリンティング社の産業用途3Dプリンターの拡大を狙っている。
XYZプリンティングで産業用途を狙っていく姿勢
「XYZプリンティング社の3Dプリンタ-は個人向け、ホビー向けという印象が強いかもしれませんが、2018年から産業用途にも力を入れてきました。次世代3Dプリンター展初日である本日リリースした、分速5㎜という非常に高速な光造形機「PartPro120 xP」も投入しています。(イグアス 広報市川氏)」
3Dプリンターは、一日で試作品が造形できるという位置づけで多くの製造業の試作開発に取り入れられてきたが、「もっと早く造形したい!」という声は根強くある。昼間に作ったデータを、夜帰る前に造形指示して、翌日検証するというサイクルが、一日二回できるようになることで、開発サイクルを高速化できることは開発現場にとっては嬉しいに違いない。
そんな高速開発サイクルを実現できる高機能な3Dプリンターが、数年前の10分の1以下の価格、同スペック以上のものが、市場に登場している。リースアップのタイミングや保守期限のタイミングで買い替えを検討している企業ユーザーには朗報である。
日本でのサポートはイグアス社配下のサポートベンダーが対応する。台湾製の装置だが、日本でのサポート網があることは安心材料になる。
大型機が複数台展示されているイグアスのブース。非常に大きく存在感がある。
当たり前の話だが、性能進化が日進月歩である3Dプリンターは、ひと昔前のパソコンのように数年で物差しが変わってしまうほどの違いがある。数年前の廉価帯のエントリー機と現在の廉価帯では性能が全く異なるし、廉価帯のエントリー機と産業用モデルでは性能が全く異なるのだ。
次世代3Dプリンター展のブース構成から感じるイグアス社の本気度
産業用機器として本格的に導入され始めているAM工作機械の製造販売を行うXYZプリンティング社とそのマスターディストリビューターのイグアス社。彼らの取り組みを、今回の次世代3Dプリンター展で目の当たりにすると、今までのXYZプリンティングといえば個人のホビー向けの3Dプリンターという印象が強かった方も、産業用工作機械の拡大の勢いを実感することができるだろう。
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2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。