「グローバルサウス補助金」に採択され、タイの廃棄物問題解決に向けた実証実験を開始 ― ExtraBold社
株式会社ExtraBold(東京都豊島区、以下、ExtraBold社)は、経済産業省が実施する令和5年度補正事業「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」において、小規模実証事業として採択された。この事業は、タイにおける廃棄物問題の解決を主軸とし、CO₂排出削減やPM2.5の抑制に資する実証実験を進めるものだという。(上部画像は「Material Innovation Center」のイメージイラスト。出典:ExtraBold社)
目次
「Material Innovation Center」の設立と取り組み
実証実験の一環としてタイに設立される「Material Innovation Center」では、農作物残渣や廃プラスチックをバイオ炭やサステナブル材料に変換することで野焼きによるPM2.5の発生を防ぎ、CO₂排出量を抑制する廃棄物再資源化を推進するとともに、自社開発の大型3Dプリンターを活用したサステナブル材料を用いた新たな製品開発の可能性を検証し、さらにメンバーシップ制の施設としてタイ国内外の企業や大学に対し、サステナブル材料化技術や3Dプリンティングを活用した課題解決の場を提供する。
設置予定の主要設備
「Material Innovation Center」には、以下の最新設備が導入される予定である。これらの設備はメンバーシップ制の会員に有料で開放され、現地スタッフや日本の専門チームによるサポートも提供する。
• ペレット式大型3Dプリンター「EXF-12」(自社開発製品)
• 協働ロボット型ペレット式3Dプリンター「REX-BUTLER」(自社開発製品)
• 粉砕機、造粒機、MF樹脂融合装置(日本メーカー製)
• バイオ炭化装置(新規開発品)
• 小型マシニングセンター(日本メーカー製)
• その他3Dプリンター、レーザーカッター、各種3Dソフトウェア(自社開発品含む)
ExtraBold社を含んだこれらの日本の先端技術を駆使した設備により、廃棄物や有機物残渣から高付加価値のプロダクトを開発する環境を提供する。また、同施設はショールームとしても機能し、自社製品や最新技術の展示・販売を行う。
廃棄物のアップサイクルによる市場創出とカーボンニュートラルへの貢献
廃棄物や有機残渣を有効に活用し、高付加価値の製品やインテリア、家具、自動車部品などへのアップサイクルを実現する。この取り組みにより新たな市場を創出することを目指す。また、バイオ炭化した材料の活用研究を推進することで、タイ政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」目標の達成に貢献することを目標とする。
2025年の本格稼働とASEAN地域・日本への展開
「Material Innovation Center」は2025年に本格稼働を予定している。これに伴い、現地法人を設立し、タイ国内での廃棄物再資源化および製品化のプロセスを加速させる計画である。さらに、タイでの成功事例をもとにASEAN地域全域への展開を視野に入れると同時に、その成果を日本国内にも活用し、日本が抱える社会課題の解決に貢献していく考えだという。
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