AM 4 Industry. AMに取り組む際の確認観点を教えてくれる4つのドキュメント(英語)
オーストリアのテクノロジー企業であるEcoplus PlasticsとMechatronics Clusterは、積層造形の工業生産への適用に関する調査結果を公開している。両社は、2年前に210万ユーロの集合研究ネットワーク(CORNET)AM 4 Industryプロジェクトを開始し、その研究成果としてサイト上でいくつかの報告書を公開している。簡単に紹介してみたい。
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LBM積層造形欠陥カタログ
レーザービーム溶解(LBM)は複雑な技術なので、品質に影響する要因は多種多様。本レポートではLBMでの造形プロセスで発生する失敗をいくつか取り上げ解説している。貴重な失敗例とその解説は興味深いものだ。
積層造形の設計実現可能な方法論
積層造形(AM)は、従来の生産ラインでは決して達成できない設計の自由度、カスタマイズ、軽さ、材料効率などのメリットがある。その可能性を最大限に引き出すには、新しいアプローチが必要だとはわかっているものの具体的にどんなものか情報が少なくわかりにくいのも事実。このドキュメントでは適切な方法論を検討するための解説がまとめられているという。
積層造形の設計ープロセスに関する基本的な考慮事項
積層造形(AM)は、複雑な形状を生産できるが、安定的な品質を実現するためには課題も多いといわれる。造形物の変形、表面品質が低い、公差を満たせないなどの課題どどう解決するべきか。このドキュメントの目的は、さまざまなAMマシンがどのように機能するかを紹介しながらAMにいくつかのデザインルールが存在する理由と取り組みの必要性を開設しているという。
※この作業は、CornetプロジェクトAM4l – Additive Manufacturing for Industriesの一部としてSirris Research Centerによって実施されたとの事。
積層造形プロセスの実装を準備するための品質最適化とコスト分析
M 4 Industryプロジェクトの主な目的は、積層造形を企業の生産技術に統合することの利点を示すモデルを開発することだったという。このドキュメントではコストとメリットを明らかにした費用便益モデルを紹介しながら、特定の部品のさまざまな生産方法を比較することで、AMに取り組むべきかどうかの企業の意思決定に役立つことが期待できるという。
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成功も失敗も自社でやってみなければわからない事も多いのは事実だろう。しかしこうした先行者の試行錯誤と考察の結果をふまえた上で自社にとっての最適な取り組みをかんがえることは大きな助けになるはずだ。英語ドキュメントだが、是非参考にしてほしい。
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2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。