APPLE TREE株式会社(大阪府大阪市、以下、APPLE TREE)は、FLASHFORGEブランドの産業用3Dプリンター「R1」および「R1 MAX」の国内販売を開始した。本機は、Ra5µmの滑らかな表面品質と±65µmの高い寸法精度を実現しており、射出成形に匹敵する造形品質を持つ。高速造形に加え、24時間365日の連続稼働にも対応しており、試作から少量量産に至るまで、幅広い用途での利用が可能である。金型レスでの製造が求められる現場において、開発リードタイムの短縮と生産効率の向上に貢献する次世代の装置である。
目次
高精度造形を支える「Photon Reaction System」
本機には、独自のPhoton Reaction System(PReS)が搭載されており、Ra5µmの表面粗さと±65µmの寸法精度を可能としている。この技術により、外観部品や精密部品においても射出成形と遜色のない仕上がりが得られる。プロトタイプ製作から最終製品までの一貫した利用が想定されている。

四軸ガントリ構造と高感度センサーによる安定性
造形時の微細な振動を抑制するため、四軸ガントリ構造を採用。さらに、20個以上の高感度センサーがミリ秒単位でリアルタイムにデータを収集し、造形品質の一貫性を維持する。


24時間365日連続稼働対応
堅牢な筐体構造と高度な制御機構により、長時間かつ連続稼働においても安定した出力を維持する。これにより、少量多品種生産や迅速な試作開発においても、高効率かつ信頼性の高い運用が可能である。

96%の一貫性を誇る高再現性
PReSと堅牢な構造設計により、造形物間のばらつきを抑え、96%の生産一貫性を実現している。試作から中量産レベルまで、安定した品質を求める現場での活用が期待される。

中小企業向けの税制優遇に対応
本製品は、中小企業経営強化税制(A類型)に対応しており、導入に際して税制面での優遇措置が受けられる。これにより、デジタル製造機器導入の初期費用負担を大幅に軽減することが可能となる。税制優遇措置の詳細については、以下の特設ページより確認いただきたい。
シェアラボ編集部コメント
「R1/R1 MAX」は高精度・高再現性・連続稼働性を兼ね備えた産業用3Dプリンターであり、現代の製造業が求めるスピードと品質を両立する有力な選択肢となるだろう。特に、金型を必要としない少量生産や短納期プロジェクトにおいて、大きな力を発揮することが期待される。
用語解説
| ■ PReS(Photon Reaction System) 独自の光反応制御システムで、Ra5µmの表面粗さと±65µmの高精度造形を実現する技術。高精度な光制御により、滑らかな表面仕上げと寸法精度を両立し、射出成形に迫る品質を可能にする。 |
| ■ Ra(算術平均粗さ) 表面の凹凸の平均を数値化したもので、滑らかさの指標。Ra5µmとは、5マイクロメートルの平均粗さであり、非常に滑らかな仕上がりを意味する。主に外観部品や精密部品の品質評価に使われる。 |
| ■ 射出成形 プラスチックなどの材料を加熱・溶融し、金型に射出して成形する製造方法。量産に適し、精度や表面品質が高いため、3Dプリンターがこの品質を再現することは極めて高度な性能を意味する。 |
| ■ ガントリ構造 3Dプリンターの造形ヘッドが橋のようなフレーム構造でX・Y・Z方向に移動する設計。特に四軸ガントリでは、さらに1軸追加され、振動抑制と精密制御に優れる。 |
| ■ 高感度センサー 造形中の温度や動作の変化をミリ秒単位で検知するセンサー群。リアルタイムでデータを取得し、造形精度の維持やトラブルの早期発見に貢献する。 |
| ■ 連続稼働(24時間365日) 機器が一日中、年中無休で稼働できる設計。産業用としては不可欠な要件であり、ダウンタイムを減らして高効率な生産が可能になる。 |
| ■ 生産一貫性(再現性) 同じ条件下で造形した場合に、何度でも同じ品質の出力が得られる能力。96%の一貫性は非常に高く、量産用途にも適応可能な信頼性を示す。 |
| ■ 中小企業経営強化税制(A類型) 一定の性能要件を満たす設備導入に対して、即時償却や税額控除の優遇を受けられる国の制度。「A類型」は、国が定めた性能基準を満たす設備が対象となる。 |
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