3Dプリント技術を応用した新構造枕『Lattice(ラティス)』が、2025年12月17日よりクラウドファンディング「Makuake」にて支援受付を開始する。手がけるのは、大阪市に拠点を置くAPPLE TREE株式会社(以下、APPLE TREE)である。同社は光硬化方式3Dプリントとバイオベース素材を組み合わせ、従来の枕とは異なる睡眠体験を追求してきた。
目次
相反する性能を一体構造で両立した3Dプリント枕
今回公開される『Lattice』は、
- 柔らかく沈むにもかかわらず頭部をしっかり保持する感触
- 丸洗いでき、乾きが早い衛生性
- 長期使用でも形状が崩れにくい耐久性
といった特性を一つの構造で実現した点が特徴である。
3Dプリント構造と素材設計がもたらす『Lattice』の主な特徴
■ハニカム形状が生む“沈み”と“支え”
蜂の巣の構造に見られる六角形のハニカム形状を応用し、エリアごとに異なる硬さのセルを配置。仰向け・横向きのいずれにおいても、頭と首への荷重を自然に分散し、無理のない姿勢を保てるよう設計されている。
■バイオベース素材「ELASTO1000 Bio」採用
柔軟性はポリウレタンに近く、復元力と耐久性に優れた新素材を使用している。バイオ由来率は53%で、植物由来成分を含む点も特徴である。曲げや引っ張り、衝撃に対して強靭で、へたりにくい。
■高精度3Dプリントによる一体造形
HALS超高速光硬化3Dプリントを用いて0.05mm以下の精密構造を形成し、継ぎ目のない一体成形を実現している。部位ごとに密度を最適化することで、微小な頭部の動きにも追従するフィット感を得ている。
■丸洗い・速乾・通気性
内部が空洞構造になっており水切れが良い。乾燥も早く、通気性が高いため熱がこもりにくい。寝苦しさの軽減にもつながる。
■約0.7kgの軽量設計
リュックやスーツケースに入れて持ち運べる重量であり、出張や旅行先でも自宅と同じ寝心地を確保できる。
■クラウドファンディング概要
開始:2025年12月17日
終了:2026年2月17日
発送予定:2026年3月末
数量限定で最大50%OFFのリターンが設定されており、Makuake限定の早期割引となる。興味のある方は早期の参加が推奨される。
シェアラボ編集部コメント
光硬化方式の高速3Dプリントとバイオベース樹脂を組み合わせたプロダクトは、国内ではまだ事例が多くない領域である。枕のように「日用品レベルの快適性」と「産業レベルの精密構造」を両立させるには、材料設計と造形プロセスの整合性が不可欠であり、APPLE TREEがその両面からアプローチしている点が興味深い。とくにHALS方式による微細なハニカム構造の量産性が確保されれば、寝具に限らず、クッション材や医療用サポート具など周辺領域への展開も視野に入るだろう。日用品マーケットで3Dプリントがどこまで浸透するかを測るうえでも注目したい取り組みである。
用語解説
| ■ HALS(High-speed Axial Lithography System) 光硬化方式の一種で、高出力光源と制御技術を組み合わせることで造形スピードを大幅に高めた3Dプリント方式。0.05mm以下の微細構造も高速で成形でき、クッション材など複雑な内部構造を持つ製品に適している。 |
| ■ ハニカム構造(Honeycomb Structure) 六角形を規則的に並べた構造。強度・軽量性・荷重分散に優れ、航空・建築分野でも利用される。枕内部で空洞を確保しつつ“沈み”と“支え”を両立できる点が利点。 |
| ■ バイオベース素材(Bio-based Material) 植物などの再生可能資源を原料として一部または全体を構成する材料。化石資源依存を減らし、環境負荷の低減につながる。『Lattice』ではバイオ由来率53%の素材が使用されている。 |
| ■ 一体成形(Monolithic Printing) 部品を分割せず、継ぎ目のない状態で造形する手法。強度低下や破損リスクを抑えられるほか、寝具のように“連続したしなり”が必要な製品に向いている。 |
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