エアバスと、ローカルモーターズが提携、量産子会社Neorizon(ネオリゾン)を設立
2019年10月、業界を代表する航空宇宙企業のAirbus(エアバス)と、米国のLocal Motors(ローカルモーターズ)が提携し、Neorizon(ネオリゾン)を設立した。ネオリゾンでは Maas(Mobility as a Service)を体現したOlliの製造やドローンの量産を150人体制で行うことを目指し、注目を集めている。
ローカルモーターズはアメリカの3Dプリント自動車のメーカー
ローカルモーターズは独自のアプローチで、3Dプリントを活用した電気自動車を生産している。世界初の量産3Dプリント自動車や小規模自動運行バス「Olli」などで実績がある。(オープンイノベーションを活用したモノづくりで急成長を遂げた同社の軌跡は別途紹介したい)
「Olli」シリーズは実用化段階のMaas車両
「Olli」はIBMのAi「Watoson」による自動運転システム、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)技術を活用した360度センサーを備え、車体の80%を3Dプリンターで出力された電気自動車。まさにCASE(Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語)の具現化ともいうべき短距離移動手段だ。すでに大学構内や米軍基地内の定期運行バスとして導入されている。
エアバスは自社製品で3Dプリンティング活用中
エアバスは、航空機の試作だけではなく最終使用部品にも3Dプリント技術を活用し、すでに 1000を超える3D印刷部品を使用しているとのことだ。2019年2月、スイスのOEM Liebherr-Aerospaceは、エアバスA350 XWB用の量産3Dプリントパーツの新しいサプライヤとして発表されている。同社は最近、サンタフェに本拠を置く積層造形ソフトウェア開発企業Sigma Labsと提携して、航空宇宙向けの金属3D印刷の認定制度も支援している。エアバスの投資会社経由でローカルモーターズに出資してきた経緯もあった。
2020年から本格始動の見込み
新会社ネオリゾンでは、ローカルモーターズが発表してきたドローンや小規模無人運行バス「Olli2.0」の量産を行うという。本部兼マイクロ工場は、ベルリンにほど近いミュンヘン工科大学のイノベーション・キャンパスに置き、150〜200人の規模の雇用を予定している。3Dプリンターを中心とした汎用生産ラインで、受注生産を主体に製造をおこなっていく見込みのようだ。
2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。