7,000億円の市場規模!3Dプリントフットウェア産業の市場予測―SmarTech Analysis
2013年以来、アディティブ・マニュファクチャリング業界を専門に分析する米国バージニア州の市場調査会社SmarTech Analysis(以下 SmarTech)は、3Dプリンティングフットウェア製品に関連した最新レポート「フットウェア業界におけるアディティブ・マニュファクチャリング(Additive Manufacturing in the Footwear Industry)」を発表した。
レポート概要
3Dプリンティング技術を利用したフットウェア製品の収益が、2029年までの年平均成長率(CAGR)19.5%で成長し、年間65億ドル(約7,227億円)以上の収益を生み出すと予測。レポートはまた、2023年までにインソール、ミッドソール、アッパー類など3Dプリント製シューズ関連素材が10億ドル(約1,112億)以上になると予測している。以下、本レポートの一部をお伝えする。
フットウェア業界の市場予測
- 現状、フットウェア業界における3Dプリンティング関連の収益が、世界のフットウェア市場全体の収益の約0.3%を占めると分析。この値は、2029年までに全世界のフットウェア収益の約1.5%に成長する
- AM技術は、フットウェア業界では比較的統合された手法であり、今後拡大し続ける。
フットウェア業界における3Dプリンティング技術
- 3Dプリントフットウェアセグメントは、他の家庭用品と共に最大の3Dプリント消費財になると予想。これは、AMプロセスによる大量生産のケースが実行可能なソリューションおよび費用対効果の高いソリューションであることが証明された唯一のセグメントであり、今後材料コストが下がり、AM技術のスピードと生産性が上がるにつれてこの傾向が増え続けると予想。
- 今日のフットウェア量産で使用されているAM技術は光造形方式であり、従来型のSLA/DLP方式と、CarbonのCLIP(Continuous Liquid Interface Production)対応DLS(Digital Light Synthesis)技術のような「レイヤーレス」の両方が活用されているが、SLS方式やHPのマルチジェットフュージョン技術なども、マスカスタマイゼーションに非常に適している。
- フットウェア業界におけるAM材料の需要は、2029年までに37万トンに達すると予測。粉末材料については、予測期間の終わりまでに最大の需要が予想され、これは総需要の約50%になるとしている。
- 現在のフットウェア業界におけるAM製造の大部分は、専用的な知識と設備を有すサービス事業者に委託しているが、SmarTechは今後、フットウェア業界におけるAMの使用の大部分が社内で行われると予想。
これは、フットウェア製造がハードウェアメーカーやAMサービス機関にとって中長期的に重要な機会であることを意味している。 - フットウェア3Dプリンティングにおいて、最終部品はすでに非常に重要なビジネスチャンスであり、3Dプリントフットウェア部品に関連する全収益の34%を占め、54%成長した。
向こう20年で年平均20%、7,000億と消費財の中でも非常に大きなセグメントとなる、フットウエア産業。現時点でもCarbon社とアディダスによるスニーカーのソールを3Dプリンターで造形し、利用者にカスタマイズした事例や、FormLabs社とニューバランスも同様の取り組みを行っている。今後もさまざまな業界でAM技術による最終製品の製造が進む中、フットウエア産業でも更なる動きが広がっていくだろう。
SmarTech Analysisについて
SmarTechは、3Dプリンティング/付加製造分野の市場調査と業界分析を提供するリーディングカンパニー。パーソナルプリンター、少量生産、3D印刷材料、医療/歯科市場、その他の有望な3D市場セグメントを含む、3Dプリンティングセクターにおける重要な収益機会の多くに関するレポートを発表している。顧客には、世界最大級の3Dプリンター企業、材料企業、投資家が含まれている。
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