Lotus社、Carbon社と協力し3Dプリント製ヘッドレストを開発
英国の自動車メーカーLotus社が、Carbon社と協力し、次世代スーパーカー「Theory 1」に搭載する3Dプリント製ヘッドレストを開発した。このプロジェクトは、設計の自由度と軽量化を追求するものであり、従来の製造技術に比べて革新的な成果をもたらしている。(上部画像は次世代スーパーカー「Theory 1」出典:Lotus社)
目次
Lotus社とCarbon社のコラボレーションの背景
Lotus社とCarbon社の協力は、次世代自動車の革新に向けた双方の共通目標に基づいている。特に、Lotus社は高性能車の軽量化を重視しており、従来の製造方法では実現が難しい複雑な形状やカスタムデザインが求められていた。一方、Carbon社はAM技術を駆使した、高精度かつ高速でのパーツ製造を得意としており、これがLotus社のニーズと合致した。両社は、スーパーカー「Theory 1」の開発において、革新的なパーツを共同で設計・製造するプロジェクトを立ち上げ、最先端技術を自動車分野に応用することで新しい価値を創出しようとしている。
AM技術の活用による設計の革新
AM技術の導入により、従来の製造方法では実現不可能だった複雑なデザインが可能となった。特にCarbon社の技術は、積層痕を極限まで減らし、滑らかな表面仕上げを実現する点が特徴的で、設計者はパーツの機能と美しさを両立させた自由な形状を追求できるようになった。さらに、デジタルファブリケーションを活用することで、試作から最終製品までの開発サイクルが短縮され、迅速なデザイン変更や調整も可能になっている。
「Theory 1」のための特別設計
「Theory 1」に搭載されるヘッドレストの最大の目標は軽量化であり、伝統的な製造方法に比べてAM技術での製作は大幅な軽量化が実現されている。さらに、素材の選定と形状の工夫により、剛性を損なうことなく、ドライバーの快適性を最大限に高めるデザインが可能となった。ヘッドレストは、使用者に対するフィット感を最適化するために、個別のニーズに合わせたカスタマイズも容易である。
Carbon社のAM技術の特徴とメリット
Carbon社のAM技術は、光硬化樹脂を使用して高速かつ精密な造形が可能な点が大きな特徴である。同社のDigital Light Synthesis(DLS)技術は、紫外線を使用して液体樹脂を固めるプロセスを用い、従来の層ごとに積み上げる方式よりも滑らかで一体感のある製品を生成する。さらに、Carbon社の技術はプロトタイピングから大量生産まで対応可能であり、試作段階での素早いフィードバックと量産性の高さを両立している点が、自動車業界においても大きな利点となっている。
今後の自動車業界におけるAM技術の可能性
自動車業界では、AM技術が今後の重要な製造手法として期待されている。複雑な部品の軽量化やカスタマイズが容易になり、生産コストの削減や開発スピードの向上が実現され、材料の選択肢が増えたことで、耐久性や性能を犠牲にせずに軽量化を追求できる点も魅力である。また、環境への配慮からも、従来の大量生産に比べて無駄のない効率的な製造プロセスが注目されている。
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