すでに100件以上の注文実績あり!住宅模型をオンラインで注文できるサービスーDMM.com
日本最大級のサービスビューロを運営しているDMM.comはハウスメーカーや工務店の新たな営業ツールとして活用できる、「3Dプリント住宅模型サービス」の提供開始を発表した。(画像はプレスリリースより)
建築分野での模型製作は、設計をCADで行うだけではなく、CGパースでも起こすことが多いため、3Dデータが存在することが多く、3Dプリンターとの親和性は高い分野。土木・建築分野でのコンペで提出を求められるケースも多かった建築模型は、以前は人の手で紙や木材を使って作ることが多かったが、3Dプリンターで造形するケースも増えてきたと言われている。また、コスト納期で大きなメリットが生まれるケースも多いと聞く。
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プロではない消費者にこそ住宅模型が必要
住宅は一般消費者が購入するものとしては、一生で一番高い買い物と言われる高額商品。複数の住宅メーカーを比較検討しながらマイホームの夢を実現するべく、家族会議が繰り返し行われることだろう。マンションのショールームには決まって小型の模型が置かれているし、一戸建てでもショールームの中に説明用模型が置かれている場合もある。
というのも、購入を検討している利用者は、ハイスペックなショールームではなく、実際に自分の予算で購入できる自分の家のイメージが、図面やパースからではなかなか持ちにくいためだ。また検討後期になるとイメージパースやCGが多数手元にある状態になって「頭がこんがらがる」家族も出てくる。図面やパースを読み解く力がない一般人こそ、実際に三次元になっている模型をみてわかることがあるだろう。
3Dプリント住宅模型は、家の外観だけでなく、内装や家具家電まで緻密に再現することができる。図面や従来の紙模型では、実際の姿形をイメージしにくい一般消費者でも、よりリアルに想像することができる。インパクトも大きいプレゼンテーションツールでもあり、商談成約後、贈呈品として契約者にプレゼントできる満足度向上アイテムにもなりうる。
すでに100棟以上の販売実績
DMMによると、3Dプリント住宅模型は、ハウスメーカーや工務店にすでに100棟以上の販売実績があるという。
サービスページ:https://make.dmm.com/public/print/housemodel/b/
人気はカラー模型で、フルカラーの立体模型ならではのわかりやすさが、子供や主婦層にも直観的に受け入れられているという。外壁や家具家電も、緻密に再現できるため、生活動線の良さや吹き抜けの解放感などが理解されやすいのだろう。
形状の再現度でいうと、白模型のほうがエッジの表現性が高く、シャープでクールな印象を与えることができるという。高額物件やデザイン性の高い物件では、設計者の世界観への共感が重要になってくる。シンプルな世界観を提案している建築家や設計者のセンスを表現するためには、あえて色を付けないという選択肢もあるのだろう。
インターネットから5分で注文完了の手軽さ
設計で使用する3DCADの3Dデータがあれば、DMMのページから3Dモデルのデータをアップロードすることで、注文ができる。納期は最短1週間ということで、模型を依頼したり、ゼロから作るよりも格段にスピーディーだ。費用感には模型のサイズや色の有無が大きくかかわってくる。簡単な見積フォームが用意されているので、事前に費用感を確認したほうが良いだろう。
サービスビューロの発展には、データが存在していること、手軽に納期や費用を知ることができることが必要
3Dプリンターは多様な機種が存在する。安価な装置の性能も向上しているが、造形できる造形領域の大きさや、フルカラー対応、造形精度や表面性など多くの課題がある。手元で簡単に造形できてもサポート除去や表面研磨、塗装に大きく時間をとられることもあるだろう。
そうした実際にやってみて手間がかかることを代わりに行ってくれるのがサービスビューロの魅力だ。しかしそもそもデータがなければ依頼もできないし、依頼する際も、毎回形状や大きさが異なるため、費用や納期をいち早く知ることができなければ利用しにくいと言える。そうした懸念を丁寧に解決してきたことが、DMMが日本最大級の規模に成長してきた所以だろう。
揃えているプリンターの台数やオペレータの人件費を考えると運営の苦労も多いようには思うが、その分、ユーザーとしては上記サービスを活用することで、多くの労力を削減し、今までできなかったことが実現できる機会になると思われる。今後のサービスビューロが広まっていくためには、すでに3Dデータが存在する分野であることとともに、コスト、納期がすぐに確認できることが必要になってくるだろうと感じさせられた。そういう意味でこの住宅模型サービスはすでに実績も多く、非常に有望なサービスだ。
こうした3Dプリンターの活用によって、多くのメリットを生み出せる用途がさらに増えていくことで、3Dプリンター活用がよりリアルになっていくことだろう。
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2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。